2002 Fiscal Year Annual Research Report
南部沖縄トラフの研究〜高解像度イメージングに基づく背弧リフト発達過程の解明〜
Project/Area Number |
14740258
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
沖野 郷子 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (30313191)
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Keywords | 海底拡大 / 背弧海盆 / リフティング / サイドスキャンソナー |
Research Abstract |
南部沖縄トラフにおいて、背弧リフトの発達過程を明らかにするために、初年度である14年度には研究船による観測を含む以下の研究を実施した。 1.南部沖縄トラフ調査研究航海 東京大学海洋研究所の研究船「白鳳丸」KH02-1航海において、南部沖縄トラフ24°47'N-24°58'N,122°38'E-123°12'Eの海域で約6日間、総測線長380kmの深海曳航式サイドスキャンソナー「WADATSUMI」による高解像度海底音響マッピングを実施した。曳航システムにはソナーの他に濁度センサをとりつけた。また「白鳳丸」搭載のマルチビーム測深機は従来型より高解像度の広域地形調査システムであるため、ソナー調査を行った海域について測深データを同時に取得した。 2.広域データの収集と解析 既存の文献を収集整理し、沖縄トラフの発達史に関する知見の総括を行った。また、研究対象海域において最近広域地形調査を行った台湾・フランス・日本の研究チームと議論を行い、広域地形データの提供を受けた。 3.高解像度海底イメージングデータの基本処理 航海で取得した「WADATSUMI」データの処理を行うために、専用の計算機一式を購入し、ソナーの位置決定や散乱強度画像の各種補正、画像の合成などを行うソフトウェアの整備を行った。整備したハード・ソフトウェアを用いて、ソナーの位置決定を行った後に、全測線のほぼ半分について海底の高解像度散乱強度画像を作成した。その結果、リフト軸における断層系の分布が明らかになり、同時にトラフ最西端にある火山活動域における詳細な火山地形や斜面崩壊の様子を描くことができた。 4.研究発表等 航海の概要は、中央海嶺系研究者の国際的なニュース誌であるInterRidgeNewsに速報として発表した。また、データ処理した高解像度海底イメージに関しては、平成15年度4月にフランスで行われる予定のヨーロッパ地球物理連合年会で報告する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Okino, K., H.Tokuyama, HOTWATER Scientific party: "Deep-tow sonar "WADATSUMI" survey in the Okinawa Trough"InterRidge News. 11(2). 36-39 (2002)
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[Publications] Okino, K., K.Fujioka: "The Central Basin Spreading Center: variations in spreading style and implications for marginal basin formation"J.Geophys.Res.. 108(B1). 2040 (2003)