2003 Fiscal Year Annual Research Report
表層堆積物の初期圧密・続成による微細組織の変化過程の研究
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14740295
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Research Institution | Fukada Geological Institute |
Principal Investigator |
川村 喜一郎 財団法人深田地質研究所, 研究第三部, 研究員 (50321675)
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Keywords | 凍結乾燥法 / 包埋法 / 微細組織 / 表層堆積物 / 変形構造 / はぎとり付加作用 / 地すべり粘土 / 古流向解析 |
Research Abstract |
今年度は,堆積物の圧密・続成作用の解明をする上で,変形構造を比較する材料(付加変形試料,地すべり試料など)がたくさん得られた.それらをもとに,今年度は主に以下の4項目について成果を上げた. 1.4月に行われたJAMSTECの調査船「よこすか」のYK03-03航海で「しんかい6500」による755潜航にて,付加体最前縁部を調査し,はぎ取り付加作用によって作られる地質構造を明らかにした.潜航で採取された試料は,凍結乾燥・包埋処理を行い,微細組織を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し,初期の付加作用による変形構造を解明した.さらに,岩石強度測定や圧密試験を行い,堆積物の変形特性を明らかにした.これらの結果は,地球惑星学連合合同大会(5月),American Geophysical Union Fall Meeting(12月),古生物学会(1月)など多数の学会で発表された. 2.6月に行われたJAMSTECの探査船「かいれい」のKR03-07航海により,日本海溝付近の堆積物を採取し,粒度・粒子組成を明らかにした.玄武岩に付着する堆積物から玄武岩の形成年代を推定した.これらの成果は,しんかいシンポジウム(1月)で発表され,東京新聞(2004年2月24日付科学特集)に掲載された. 3.沖縄トラフの深海底堆積物の微細組織を岩石磁気学的に明らかにし,併せて,SEMによる微細組織観察を行った.それらから古流向解析を行い沖縄トラフの堆積物供給システムを推測した.この成果は,地質学会(9月)で発表された. 4.石川県白山周辺の地すべり粘土試料の剪断変形による微細構造をSEM観察によって明らかにし,地すべり学会機関誌「地すべり」や深田研機関誌「年報」に公表した. 尚,今年度予定していた水銀ポロシメーターによる測定は装置不調のため,行えなかった.このため,来年度,石油公団の装置を使用するための手続きをした.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 河村喜一郎ほか: "すべり面粘土の帯磁率異方性と微細組織"地すべり. (印刷中). (2004)
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[Publications] Kawamura, K, Ogawa, Y: "Anatomy of Eastern Nankai accretionary prism toe at Tenryu deep-sea canyon by submersible surveys and various physical tests"Eos Transact AGU. 84(46). T52B-272 (2003)