車軸藻化石を用いたジュラ〜白亜系陸成層の生層序の確立および中国の生層序との対比

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14740300
• Research Institution: Kumamoto University
• Principal Investigator: 小松 俊文 熊本大学, 理学部, 助手 (40336201)
• Keywords: 手取層群 / 御船層群 / 微化石 / 古生物学 / 地質学 / 層序学

Research Abstract

平成14年度は岐阜県に分布するジュラ〜白亜系手取層群と熊本県の白亜系御船層群,岡山県下の白亜系などで車軸藻化石の産出層準を明らかにするための予備調査を行った.その結果,荘川村の大黒谷やコブ谷に分布する石徹白亜層群大黒谷層の5地点から大量の車軸藻化石を採集した.産出層準は大黒谷層の中部〜上部にあたり,砂岩泥岩互層の泥岩中に淡水生の二枚貝化石や脊椎動物化石とともに含まれる.その後,これらの標本の一部を母岩から抽出し,実体顕微鏡や電子顕微鏡で観察を行った結果,最低でも2種類が識別され,そのうちの一つはMesochara属に含まれることが明らかになった.今後,標本の処理が進み,計測や細部の観察が可能になれば,種レベルの同定が可能と思われる.なお,これらの結果については福井県恐竜博物館で開催された日本古生物学会2002年年会のシンポジウム"環日本海地域における白亜系層序と国際対比-手取層群を中心として-"(講演予稿集,p.18-19)と日本地質学会新潟大会プレシンポジウム"ジュラ系"(講演予稿集,p.73-74)で予察的な発表を行なった.
熊本県の御船層群や岡山県の白亜系稲倉層でも化石産地を確認し,いくつかの標本を採集したが,手取層群と比べて産出量が少なく追加標本が必要である.
来年度はこれらの地域で追加標本を採集し,車軸藻化石の研究が進んでいる中国の標本と比較した上で記載を行ない,野外では地質図,柱状図を作成して車軸藻の産出層準を正確に把握する予定である.

Research Products

• [Publications] Komatsu, T.: "Correlation between the Tetori Group and the Chinese Late Mesozoic non-marine sediments"Abstracts with Programs, the 2002 Annual Meeting, the Palaeontological Society of Japan. 18-19 (2002)
• [Publications] 小松俊文: "岐阜県荘川村に分布する手取層群の生層序-ジュラ・白亜系の境界について(予察)-"日本地質学会新潟大会プレシンポジウム講演予稿集. 73-74 (2002)