2002 Fiscal Year Annual Research Report
単一蛍光微粒子をプローブとした高感度光誘起表面レリーフ形成機構の解明
Project/Area Number |
14740391
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
生方 俊 理化学研究所, 局所自空間機能研究チーム, 基礎科学特別研究員 (00344028)
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Keywords | アゾベンゼン高分子 / 表面レリーフグレーティング / 干渉光 / フォトマスク / ゲスト分子 |
Research Abstract |
本研究では、アゾベンゼン高分子における光誘起表面レリーフ形成において高感度での物質移動メカニズムの解明のアプローチとして、物質移動の挙動および薄膜の粘性変化を高分子中に添加した蛍光分子をプローブとして蛍光顕微鏡にて観察を行っている。 本年度は高感度化の機構解明の準備として機能性ゲスト化合物の分布制御に取り組んだ。アゾベンゼン高分子薄膜の物質移動を誘起するため、二種類の光学系の構築を行った。一つはCWアルゴンイオンレーザーを光源とした干渉露光装置であり、除震台、スペイシャルフィルター、シャッター、コリメイティングレンズ、ミラー、サンプルフォルダーから構成される。これにより、周期可変可能な干渉縞を作製することができた。もう一つはフォトマスクを介した露光装置であり、本系に適切な周期・形状を有したフォトマスクの設計・作製を行った。 高分子の物質移動に伴い、ゲスト分子の移動も誘起されるアゾベンゼン高分子と蛍光分子の組み合わせの検討も行った。ゲスト分子としてローダミンに代表される低分子有機色素化合物だけでなく、セレン化カドミウムの半導体ナノ粒子や、ポリチオフェンのような高分子化合物まで適用できることがわかった。測定手法として蛍光顕微鏡に加えて、顕微分光光度計や走査型近接場光学顕微鏡等も用いて多角的に検討を行った。顕微分光光度計を用いることで、ゲスト分子のマイクロメートルレベルでの分布が蛍光強度として、定量的に評価することができた。また走査型近接場光学顕微鏡は、蛍光強度のマッピングと表面形状の同時観察を可能とした。
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