2002 Fiscal Year Annual Research Report
ソテツ属植物の分子細胞遺伝学的手法を用いた系統解析
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14740474
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
國府方 吾郎 独立行政法人 国立科学博物館, 筑波研究資料センター, 研究官 (40300686)
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Keywords | 系統 / 染色体 / 分類 / ソテツ / 蛍光in situ hybridization / 裸子植物 / 5S ribosomal DNA / 細胞分類学 |
Research Abstract |
ソテツ属(裸子植物、ソテツ科)の3節11種(C. revoluta、C. taitungensis、C. wadei、C. siamensis、C. apoa、C. circinalis、C. media、C. micronesica、C. ophiolitica、C. thouarsii ; Hill, 1995)において、5S rDNAをプローブとした分子細胞遺伝学的手法である蛍光in situ hybridization (FISH)法を用いて、幼葉分裂組織の体細胞染色体を観察・比較した。 染色体数は、11種ともに2n=22であった。核型は、11種ともに、4個の長い次端部動原体型染色体(st)、12個の端部動原体型染色体(t)、4個の短い次中部動原体型染色体、2個の短い中部動原体型染色体から構成されていた。 これら11種の染色体上5S rDNA部位を調べたところ、C. revoluta、C. taitungensis、C. wadeiには、2個のt染色体に5S rDNA部位が観察された。また、他8種には、4個のt染色体に5S rDNA部位が観察された。以上の結果から、5S rDNA部位をもつ染色体の数が2個のグループと4個のグループにわけることができた。 この11種は、Hill (1995)により、C. revoluta、C. taitungensis C. wadeiがAsiorientales節に、C. siamensisがIndosinenses節に、そして、他7種がCycas節にそれぞれ分類されている。観察したAsiorientales節3種の分布は、C. revolutaが日本、C. taitungensisが台湾、C. wadeiがフィリピンと近接している。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kokubugata, G., K.D.Hill, K.Kondo: "Chromosomal characters of two species of Cycas (Cycadaceae, Cycadales)"Annals of Tsukuba Botanical Garden. 21. 139-141 (2002)
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[Publications] 國府方吾郎, Ken D.Hill, 近藤勝彦, 小西達夫: "Cycas属(ソテツ科)11種の染色体数と核型"財団法人染色体学会第53回大会要旨集. 37 (2002)
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[Publications] 國府方吾郎, Ken D.Hill, 近藤勝彦: "ソテツ属8種における染色体上5S ribosomal DNA部位の比較"植物分類学会第2回神戸大会要旨集. 60 (2003)
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[Publications] Kokubugata, G., K.D.Hill, K.Kondo: "Comparison of 5S ribosomal DNA sites on somatic chromosomes of eight species in Cycas (Cycadaceae)"Chromosome Science. 7(印刷中). (2003)