2002 Fiscal Year Annual Research Report
水素分子形成制御ドーピングによるシリコン結晶中自己修復機能発現に関する研究
Project/Area Number |
14750002
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
深田 直樹 筑波大学, 物理工学系, 講師 (90302207)
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Keywords | 水素分子 / 非平衡ドーピング / シリコン結晶 |
Research Abstract |
1.非平衝下での積極的水素分子形成のための非平衡水素原子導入装置の準備 シリコン結晶中への水素分子形成制御ドーピングを可能にするために、マイクロ波発生器、キャビティ、マスフローコントローラー、バラトロン圧力計、赤外線加熱集光器を用いて現有の熱平衡実験系に改良を加えた。その結果、雰囲気水素ガスを高効率で水素ラジカルに分解し、従来よりも低温で固溶度以上の水素原子の導入が可能になった。さらに、処理後に高速急冷(1200℃から室温まで約10秒)が行える特殊な機構を新たに加えた。その結果、水素原子導入後に導入水素原子が結晶外に抜け出すのを防ぐことができるようになった。 2.非平衡処理による水素分子添加シリコン結晶作製 上記の装置を用いて実際に水素分子添加シリコン結晶の作製を行った。その水素分子添加シリコン結晶を赤外吸収分光測定装置で調べた結果、導入水素原子が水素分子の状態で結晶中に捕捉されていることを確かめることができた。この非平衡処理には4つのパラメーター(処理温度、マイクロ波パワー、水素ガス圧及び処理時間)が存在する。結晶中に水素分子のみ形成し、新機能発現を目指すためには、これらのパラメーター制御が重要になる。そこで現在、処理温度、マイクロ波パワー、水素ガス圧及び処理時間等のパラメーターを様々に変えた試料を作製し、形成最適化のための条件出しを行っている。また、上記の形成最適化の条件導出と並行して、作製された水素分子添加シリコン結晶への電子・中性子照射を行い、照射に対する耐性を調べているところである。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] N.Fukata, M.Suezawa, A.Kasuya: "Impurity Dependence of Vacancy Formation Energy in Silicon Determined by a New Quenching Method"Japanese Journal of Applied Physics. 41・10A. L1034-L1036 (2002)
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[Publications] M.Suezawa N.Fukata M.Saito, H.Yamada-Kaneta: "Temperature dependences of line widths and peak positions of optical absorption peaks due to localized vibration of hydrogen in Si"Physical Review. B64・8. 085205 (2002)