2003 Fiscal Year Annual Research Report
二色のラゲールガウスビームの生成と応用に関する研究
Project/Area Number |
14750028
|
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
宮本 洋子 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (50281655)
|
Keywords | ラゲールガウスビーム / 位相特異点 / 気道角運動量 / パラメトリック蛍光 / ホログラム / もつれ合い / 光子相関 / ファイバー干渉計 |
Research Abstract |
1.2色のラゲールガウスビームの同軸性評価法の精密化 各波長成分の位相特異点の位置から軸の一致の度合いを推定する手法について、測定精度を検討した。フーリエ変換法による推定精度は40μm程度であった。この手法で求めた2色(波長1.06μmと532nm)のビームの伝搬軸のずれは10^<-4>rad.程度で、ビームの異方性・位相特異点の分裂に比べ軽微であった。偏光を用いた位相測定法の導入による精度の向上について検討を行った。 2.ホログラムと単一モードファイバーによるモード解析技術の精密化 特定の軌道角運動量成分を分離して単一モードファイバーに結合させるモード解析法について、ファイバーに直接結合するモードの実測と伝搬シミュレーションにより、ホログラムを介してファイバーに結合するモードの特定を行った。将来、軌道角運動量状態制御のための局所光を導入するために必要な検討を行った。 3.軌道角運動量の任意の重ね合わせ状態の検出 上述のモード解析法にファイバー干渉計と単一光子検出器を組み合わせ、軌道角運動量の重ね合わせ状態の光子検出を行った。レーザー光で実験を行い、モードフィルターとしての消光比は100:1程度であること、異なる軌道角運動量状態間のコヒーレンスをファイバー干渉計で検出できることを確認した。干渉計のドリフト対策について検討した。 4.軌道角運動量のもつれ合い状態検出のための基礎実験 上述のファイバー干渉計システムについて、BBO結晶によるパラメトリック蛍光(波長702.2nm)を用いた基礎実験を行った。Mairらの実験の追試を行い、シグナル光・アイドラ光の軌道角運動量の光子レベルの相関を観測した。軌道角運動量のもつれ合い状態の検出を行うために、必要な検討を行った。
|
Research Products
(12 results)
-
[Publications] Yoko Miyamoto: "Transformation of phase singular beams under astigmatism"The Rank Prize Funds Mini-Symposium on Orbital Angular Momentum of Photons, Helical Beams and Optical Vortices. (2003)
-
[Publications] 川瀬大輔: "ホログラムおよびファイバー干渉計を用いた光子の軌道角運動量重ね合わせ状態の観測"第8回量子情報技術研究会資料. 187-188 (2003)
-
[Publications] 和田篤: "非点収差による光の位相特異点の反転と軌道角運動量の保存"第8回量子情報技術研究会資料. 189-190 (2003)
-
[Publications] Yoko Miyamoto: "Conservation of orbital angular momentum in phase singular beams with astigmatism"16th International Conference on Laser Spectroscopy (ICOLS03). 199 (2003)
-
[Publications] 宮本洋子: "光の軌道角運動量と量子情報"文部科学省科学研究費補助金企画調査シンポジウム-固体中の光学過程による量子計算の可能性-講演要旨集. 52 (2003)
-
[Publications] Yoko Miyamoto: "Reversal of optical phase singularity and conservation of orbital angular momentum"The 9th Japan-US Joint Seminar on Quantum Electronics and Laser Spectroscopy : Quantum Correlation and Coherence, Proceedings. 346-349 (2003)
-
[Publications] 和田篤: "非点収差を持つ光ビームにおける光の位相特異点の反転と軌道角運動量の保存"日本物理学会講演概要集. 58-2. 123 (2003)
-
[Publications] 川瀬大輔: "ホログラムおよびファイバー干渉計を用いた光子の軌道角運動量もつれ合い状態検証実験"日本物理学会講演概要集. 58-2. 124 (2003)
-
[Publications] 和田篤: "非点収差を与えたラゲールガウスビームの伝播過程の解析II"日本光学会Optics Japan 2003講演予稿集. 320-321 (2003)
-
[Publications] 大湊寛之: "ホログラムを用いた光ビームの位相特異点の操作"日本光学会Optics Japan 2003講演予稿集. 328-329 (2003)
-
[Publications] 大湊寛之: "ホログラムを用いた位相特異点の操作"電気通信大学21世紀COEプログラム第1回公開シンポジウム予稿集「コヒーレント光科学の展開」. 77-78 (2003)
-
[Publications] 武田光夫: "ラゲールガウスビーム発生用位相ホログラム素子を用いた位相特異点の操作と偏光を利用する位相測定法による素子の評価"電気通信大学サテライトベンチャービジネスラボラトリー平成15年度研究成果報告要旨集. (2004)