2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14750082
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
安原 鋭幸 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (70282829)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 複合材料 / 繊維配向制御 / 射出成形 / 温度制御 |
Research Abstract |
本研究では直径150nm程度の超多層CNTである気相成長炭素繊維(VGCF)を高流動ポリスチレンに混合した樹脂基材料を射出成形する際に,金型をスライドさせせん断力を与えることにより繊維を成形品表面に垂直に突出させることを目的とする.フィラーとして超多層CNTである気相法炭素繊維(直径150nm,以下VGCF)の黒鉛化品を使用したマトリクス樹脂にはポリスチレン(Styron679)を使用した.複合材料は樹脂中にVGCFを均一に分散させるために,二軸の混練機によりトルクが一定になるまで混練したものを粉砕してペレットに状にして使用した. 試験片の成形には,たて型射出成形機(型締力35tf)を使用した.2プレート式で間にスペーサを入れることで30×30×2mmの薄板試験片を2枚成形することができる.可動側金型の一部にリニアガイドを設置し,任意のタイミングで成形品の表面にせん断力を付与することができる.スライドさせるタイミングは充満直後に設定量だけ手動で行った.また,可動側プレートの材質を変更することにより成形品表面の冷却速度を変化させることができる.今回は,3mm厚のベークライト板と真鍮板を使用した.VGCFの充填量は10vol.%とし,主に固定側の金型温度を変化させた. 試験片表面上のVGCFの突出の有無を調べるため,成形品を流動方向に沿って割り,光学顕微鏡を用いて横方向から観察した.成形条件により,成形品の表面に突出しているVGCFが観察できた.突出した部分の長さは最大でおよそ5μm程度であった.突出したVGCFの本数は型板の温度に大きく依存し,固定側の金型表面にのみ多く,その形態は金型の材質により大きく変化することがわかった.可動側金型に断熱性の高いベークライト板を装着して,固定側金型を120℃と著しく高温にすると4000本/mm^2最も多く突出することがわかった.これとは逆にベークライト側もしくは真鍮側の表面にはほとんど突出していなかった.また,突出している繊維の角度を調べた.いずれの条件でも繊維のほぼ半数がほぼ垂直に突出していることがわかった.また,型板のスライドの有無による突出本数の量への影響も調べた.流動方向と同じ方向にスライドさせる場合が正の方向,流動と逆方向にスライドさせる場合が負の方向である.型板を充満直後にスラィドさせることで突出繊維の本数に若干の差がみられた.突出のメカニズムは未だ明らかではないが,金型温度を高温に維持することにより樹脂が低粘度状態にある時,樹脂の流動で一様に配向し弾性変形したVGCFが回復する際に突出すると推測される.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 榎本和城, 北方慎太郎, 安原鋭幸, 大竹尚登, 村上碩哉, 加藤和典: "カーボンナノチューブ含有樹脂基複合材料の射出成形"平成15年度 塑性加工春期講演会 講演論文集. 341-342 (2004)
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[Publications] 安原鋭幸, 今村博史, 加藤和典, 村上碩哉, 大竹尚登: "微細連続V溝の転写機構"成形加工'03. 181-182 (2004)
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[Publications] 安原鋭幸, 澤本晃一, 加藤和典, 村上碩哉, 大竹尚登: "プラスチック射出成形における微細形状の転写特性-金型内残留空気の影響-"第54回塑性加工連合講演会 講演論文集. 319-320 (2004)
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[Publications] 安原鋭幸, 榎本和城, 藤原修, 加藤和典, 大竹尚登: "CNT含有樹脂の射出成形における繊維配向制御"第54回塑性加工連合講演会 講演論文集. 317-318 (2004)
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[Publications] 榎本和城, 北方慎太郎, 安原鋭幸, 大竹尚登, 村上碩哉: "CNT含有樹脂射出成形品中のCNTの分散と機械的特性の評価"成形加工シンポジア'03. 189-190 (2004)