2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14750100
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小森 雅晴 京都大学, 工学研究科, 助手 (90335191)
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Keywords | 歯車 / 騒音 / 振動 / 製造誤差 / 官能評価 / ばらつき |
Research Abstract |
歯車を起振源とする騒音は不快で耳につきやすいため、乗用車や鉄道、風力発電装置などでは非常に重要な要件となっている。歯車装置設計においては、歯のかみあい部に働く振動起振力を歯車装置の静粛性に対する指標として用いる場合が多いが、振動起振力での評価と実際の騒音の不快さはしばしば一致しない。この原因の一つは、騒音に対する人間の聴覚特性が見逃されていることにあると考えられる。 本研究では、ギヤノイズの不快さをより正しく評価できるようにするため、振動伝達系のシステム特性が完全に白色となる場合のギヤノイズ(起振力ノイズ表現)を用いる評価法を提案する。この起振力ノイズ表現に聴覚特性を取り込むことで、歯車の製造誤差等によるギヤノイズの不快さの評価を可能とすることを目指す。 これまでに次の成果を得た。 1 かみあう歯車対の各歯の微小な歯面形状の違いを取り込んだ歯車運転性能解析法を開発した。 2 歯車の歯面形状や各種の製造誤差が歯車振動性能に与える影響を調査し、歯面形状の傾きの各歯での変化が振動性能に影響することを明らかにした。 3 歯車運転性能解析法をもとにして、歯車の振動起振力からギヤノイズを作成するプログラムとシステムを開発した。 4 起振力ノイズ表現を耳で聞いて評価する官能評価法と従来の歯車振動性能評価法とでは、歯車品質の評価結果に違いが現れることを明らかにした。また、起振力ノイズ表現による評価法では、音の大きさだけでなく、音の感じや不快感の違いまで評価しやすいことが明らかになった。このような評価は従来法では困難であった。 これらのことから、起振力ノイズ表現による評価は有効な歯車騒音性能評価法となる可能性があることを示した。
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