2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14750141
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Research Institution | Akashi National College of Technology |
Principal Investigator |
藤原 誠之 明石工業高等専門学校, 機械工学科, 助手 (90335985)
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Keywords | ポリマー / 熱伝導率 / 分子量 / 分子構造 / ブラウン動力学 |
Research Abstract |
本研究は、溶融状態におけるポリマーの分子量、分子構造と熱伝導率の関係を明らかにし、溶融ポリマーにおける熱輸送現象を明らかにするとともに、溶融ポリマーめ熱伝導率の予測手法を確立することを目的とする。 本年度は高分子ポリマー(ポリカーボネートPC1種類、低密度ポリエチレンPE2種類、ポリプロピレンPP3種類、ポリスチレンPS1種類)に対して分子量の測定、分子構造の解析を行った。 1.分子量の測定 測定方法はゲル浸透クロマトグラフでポリスチレンを換算分子種とした。PC、PSに関しては40℃の常温域、PE、PPに関しては140℃の高温域にて測定を行った。測定結果によると、重量分子量分布に関して56,100〜1,150,000、分子量分布指数に関しては1.64〜11.9の範囲であった。 2.分子構造の解析 測定方法は^<13>Cを用いた核磁気共鳴分析法(観測周波数270.05MHz)で、内部標準としてテトラメチルシランを用いた。この結果、評価試料であるポリマーの立体規則性、高分子鎖の分岐構造、モノマー組成比が明らかとなった。評価試料のポリマーにはアイソタクチックとアタクチックの物が含まれていることが分かった。 以上の結果より、溶融状態のポリマーにおけるエネルギーの輸送物性すなわち熱伝導率に関して、単分子鎖のミクロ構造の影響および単分子鎖を一まとまりで考えた分散力の影響に対する考察の示唆を得た。 今後は、分子軌道法およびブラウン動力学を用いて上記で得られた仮説を詳細に検討し、物性予測手法の開発を行う。
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