2002 Fiscal Year Annual Research Report
超高速集積回路網の数値解析法に関する理論的検討とその応用
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14750301
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
緒方 将人 九州大学, システム情報科学研究院, 助手 (90325548)
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Keywords | 超高速集積回路 / 分布集中定数混在回路 / ウェーブディジタルフィルタ / FDTD法(時間領域差分法) / DC-DCコンバータ回路 / 回路構造条件 |
Research Abstract |
本年度の研究成果は次の2点である. 1.高速ディジタル回路設計において,信号配線部である分布定数回路と論理回路部である非線形集中定数回路が混在する回路の効率的かつ安定的な数値解析法は重要であり,多次元ウェーブディジタルフィルタの原理に基づいたFDTD法(時間領域差分法)による数値解析手法について検討した.本研究のFDTD法では,電圧・電流の代わり入射波・反射波を変数として採用しており,信号配線を終端している非線形集中定数回路部の取り扱いが問題となる.従属電源を含む等価回路を用いた終端条件処理法を導出し,その有効性を数値実験により明らかにした. 2.DC-DCコンバータは入力電圧を任意の電圧値に変換する電源回路であり,高速ディジタル回路網を構成する基本的な素子である.電流連続モード非絶縁形のPWM型DC-DCコンバータを対象に,グラフ理論に基づきDC-DCコンバータ回路を解析し,2つのスイッチを含む簡単な回路が電流連続モード形DC-DCコンバータとして動作するための回路構造に基づく判別法を導出した.この結果はパワーエレクトロニクス分野では,比較的よく知られているが,グラフ理論の議論に基づき厳密な証明を与えている.また,この結果を一般化し,より多数のスイッチを含む回路がDC-DCコンバータとなる回路構造条件についても検討した.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Masato OGATA, Tetsuo NISHI: "Simulation of transmission lines terminated with nonlinear resistors by wave digital filters"Proceedings of International Symposium on Nonlinear Theory and its Applications. 407-410 (2002)
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[Publications] 緒方 将人, 西 哲生: "多次元ウェーブディジタルフィルタを用いた不均一線路の時間領域解析に関する一考察"第15回回路とシステム(軽井沢)ワークショツプ会議録. 353-358 (2002)
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[Publications] Tetsuo NISHI, Takashi OGISHIMA, Masato OGATA: "Toplogical Consideration on Switched Mode DC-DC Converters"Proceedings of ITC-CSCC 2002. 1129-1132 (2002)
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[Publications] Masato OGATA, Tetsuo NISHI: "TOPOLOGCAL CRITERIA FOR SWITCHED DC-DC CONVERTERS"Proceedings of 2003 International Symposium of Circuits and Systems. (未定). (2003)
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[Publications] 緒方 将人, 西 哲生: "多次元ウェーブディジタルフィルタに基づく分布定数・集中定数混在回路の過渡解析に関する一考察"電子情報通信学会技術報告. CAS2001. 7-14 (2002)
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[Publications] 緒方 将人, 西 哲生: "DC-DCコンバータの回路構造に基づく判別法に関する一検討"電子情報通信学会技術報告. CAS2002. 57-62 (2003)