2002 Fiscal Year Annual Research Report
初期状態の不確かさを考慮したH_∞制御による磁気軸受の過渡応答改善に関する研究
Project/Area Number |
14750365
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
滑川 徹 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (30262554)
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Keywords | H_∞制御 / 初期状態の不確かさ / ロバスト制御 / ロバスト安定性 / 過渡応答性能 / 磁気浮上 / 磁気軸受 / 実時間制御 |
Research Abstract |
本研究目的を達成するために平成14年度は以下の3項目に関して研究を行なった. 1.磁気軸受制御基礎実験システムの構築と数理モデルの導出 本研究で導入した磁気軸受の構成要素である電磁石回路方程式,電磁石吸引力式,浮上体の運動方程式などシステムの動的特徴を表現する微分方程式と,不確かさを考慮した状態空間モデルを導出した.さらに得られたモデルに含まれる物理パラメータを制御実験により同定した.この際にパラメータの測定は複数回行い,パラメータの変動幅,測定誤差をモデルの構造的な不確かさとして定量的に評価した. 2.初期状態の不確かさを考慮したH_∞制御理論とその磁気軸受制御への応用 従来のH_∞制御では考慮していなかった初期状態の不確かさに対してもペナルティを課す制御問題と設定することにより,外乱抑制と初期状態の不確かさ抑制の両方の特徴を持つコントローラの導出を行った.特にこの解の構成法と解の存在のための必要十分条件を導出した.さらにはこの結果を用いて磁気軸受制御システムに対して制御系設計を行なった. 3.実時間制御用のハードウエアの製作と統合的な制御環境の構築 磁気軸受制御基礎実験システムを実時間で制御するには膨大な情報を高速に処理することが必要である.そこで制御演算部,信号変換部には実時間制御用高速ディジタル信号処理システムを導入し,これにより,高速・高精度な制御演算を実現した.この装置を用いて浮上制御実験を行い,過渡応答性能の評価・解析・検討を行なった.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 滑川 徹: "カリフォルニア大学サンタバーバラ校CCECにおける研究活動"システム/制御/情報. 46・4. 222-223 (2002)
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[Publications] Toru Namerikawa: "A Generalized H ∞ Control System Design Attenuating Initial State Uncertainties"Proc. of the American Control Conference. 2204-2209 (2002)
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[Publications] Toru Namerikawa: "H ∞ Control Attenuating Initial State Uncertainties and its Application to the Magnetic Suspension System"Proc. of the 8th International Symposium on Magnetic Bearings. 459-464 (2002)
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[Publications] Toru Namerikawa: "H ∞ Control System Design of the Magnetic Suspension System Considering Initial State Uncertainties"電気学会論文誌C. 123・6(掲載予定). (2003)