2002 Fiscal Year Annual Research Report
混和材を用いたコンクリートに対する電気化学的補修工法の適用に関する研究
Project/Area Number |
14750391
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
上田 隆雄 徳島大学, 工学部, 助教授 (20284309)
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Keywords | デサリネーション / 脱塩工法 / コンクリート / 混和材 / フライアッシュ / 高炉スラグ微粉末 / 塩化物イオン / 固定化 |
Research Abstract |
本研究は、内在Cl^-を含み、フライアッシュまたは高炉スラグ微粉末を混和したモルタルおよび鉄筋コンクリート供試体にデサリネーションを適用し、混和材が脱塩効果に与える影響とCl^-固定化性状の挙動を検討している。現在までに得られた結果を以下に示す。 (1)圧縮強度試験の結果は、混和材を用いた供試体は内割置換をしたためセメント量が小さいことから、無混和供試体よりも小さな圧縮強度を示したが、28日から84日および180日への強度増加率は無混和供試体よりも大きくなった。(2)混和材を用いた供試体の促進中性化によるコンクリートの中性化深さは、混和材を用いない場合よりも大きくなった。(3)定電流通電処理時における鉄筋(銅線)と陽極材の電位差は、混和材を用いた供試体の方が、無混和の供試体よりも大きかった。また、一部の混和材を用いたモルタル供試体に急激な電位上昇が見られた。(4)1ヶ月の封緘養生を行なった後に8週間の通電処理を行った鉄筋コンクリート供試体のCl^-濃度分布測定の結果、混和材を用いない供試体では60%程度の脱塩率が得られたが、混和材を用いた場合には脱塩率が低下し、特に高炉スラグ微粉末を混和した場合の低下が大きかった。(5)無通電モルタル供試体および通電処理後のモルタル供試体を用いて細孔溶液の高圧抽出を行った結果、すべての供試体で通電処理により自由Cl^-濃度が大幅に減少するとともにOH^-濃度が上昇し、鉄筋腐食環境は顕著に改善されていた。ただし、高炉スラグ微粉末を用いた供試体では固定化されていたCl^-量の増大に伴い、Cl^-除去効果が低下していた。
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Research Products
(1 results)