2003 Fiscal Year Annual Research Report
断層直近の地震動に対する多自由度系橋梁構造物の耐震設計法に関する研究
Project/Area Number |
14750399
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡邊 学歩 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (50334545)
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Keywords | 耐震設計 / 非線形動的解析 / 断層近傍地震 / 荷重低減係数 / 変位増幅軽水 / 武田モデル / 残留変位 / 鉄筋コンクリート |
Research Abstract |
本研究は,断層直近で発生する地震による橋梁の地震時応答は遠距離地震動と異なる特性を有するために,地震時の最大変位および地震後に生じる残留変位に着目し,断層直近で発生する地震動が橋梁構造物の耐震性に及ぼす影響について,解析および実験的に検討することを目的として実施するものである.本研究の結果,以下の点が明らかとなった. 1)断層直近で発生する地震動による橋梁の地震時応答では,主要動に含まれる数発程度のパルス状の地震力の作用によって最大変位に達する.また,最大変位と同等程度の最大変位が繰り返す回数は少ない.また,断層直近で発生する地震動に含まれるパルス成分によって著しく応答が励起されるために,周期によっては正側,負側のどちらか一方向に応答が偏りを生じ,大きな残留変位を生じることを明らかにした. 2)地震力によって応答が正負いずれか一方向に偏りが生じる場合について,鉄筋コンクリート製の模型供試体を用いた静的載荷実験を行った結果,正負両側に均等に応答が生じる場合と比べて,橋脚が受ける損傷は小さく,終局変形性能が1%程度大きくなることが明らかとなった.また,最大変位を与えた後,変位が漸減させるような載荷の場合では,変位漸増方式の載荷の場合に比べて同一載荷変位における再載荷剛性が低下するために載荷履歴に偏りが生じ残留変位が大きくなることを明らかにした. 3)非線形最大応答変位に対する線形最大応答変位の比である変位増幅係数は,遠距離地震動に比べて断層近傍で発生する地震動が作用する場合の方が,短周期構造物で大きな値となることが明らかとなり,変位増幅係数を用いた構造物に生じる非線形最大応答変位の推定が耐震設計において重要であることが明らかとなった.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 渡邊 学歩: "片側一方向載荷を行った場合のRC橋脚の耐震性"第58回年次学術講演会概要集. I-020 (2003)
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[Publications] 渡邊 学歩: "RC橋脚の水平力に関する履歴則の検討"日本地震工学会大会-2003梗概集. 100-101 (2003)
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[Publications] 渡邊 学歩: "片側に卓越する地震力を受ける場合のRC橋脚の除荷および再載荷剛住"第7回地震時保有耐力法に基づく橋梁等構造の耐震設計に関するシンポジウム講演論文集. 63-70 (2004)
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[Publications] Gakuho Watanabe: "An Evaluation of the Displacement Amplification Factors for Seismic Design of Bridges"First International Conference on Urban Earthquake Engineering. 89-96 (2004)
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[Publications] Gakuho Watanabe: "EFFECTIVENESS OF CABLE-RESTRAINER FOR MITIGATING ROTATION OF A SKEWED BRIDGE SUBJECTED TO STRONG GROUND SHAKING"13th World Conference on Earthquake Engineering. 884 (2004)
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[Publications] Gakuho Watanabe: "NUMEREICAL SIMULATION OF POUNDING OF BRIDGE DECKS"13th World Conference on Earthquake Engineering. 789 (2004)