2002 Fiscal Year Annual Research Report
三次元イメージベース有限要素法によるコンクリート材料の圧縮軟化解析
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14750468
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永井 学志 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (90334359)
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Keywords | コンクリート材料 / 複合材料 / 三次元デジタル画像 / 有限要素解析 / 均質化法 / 等値面再構成 / 不連続要素 / 界面 |
Research Abstract |
本研究は、コンクリート材料を粗骨材-モルタル-界面からなる複合材料と考え、この力学応答、特に巨視的1軸圧縮における力学応答を有限要素解析により明らかにしようとするものである。このとき、粗骨材の形状や配置は力学応答を決める大きな因子であるとの考えから、その有限要素モデルをコンクリート材料の実三次元デジタル画像から直接に生成するイメージベース有限要素法の開発を行ってきている。これは、要素分割を直交固定格子に限定して、画像処理により粗骨材とモルタルの界面を要素分割と独立に定義するものである。 本年度の計画では当初、既に開発済みの界面の非線形挙動を表現しうる有限要素を、モルタル部分の非線形挙動のモデル化に用いる予定であったが、その有限要素に若干の不具合が見出されたことから、まずはその問題解決を行った。すなわち、有限要素定式化における仮定として要素内の界面を1面に限定しているが、一方でマーチングキューブズ法に代表される等値面作成手法により生成される等値面は、要素内に最大4面存在するという矛盾点である。これに対して、等値面作成手法を有限要素解析に適合するように改良して、各要素内に界面を1面に限定しうる三次元画像の修正法を開発した。これにより、この問題を無視して非線形解析を行うと計算が発散する場合があったのを完全に解決することができた。 また本年度において、粗骨材の三次元幾何学形状が非常に複雑であること、従来とは異なった有限要素法であることから、コンクリートモデル内部の応力分布や損傷分布を視覚的に簡便に理解するために、Matlabによるポスト処理のプログラムを作成した。これは、来年度に研究を計画している非局所理論によるモルタル部分の損傷進展モデリングの解析結果を描画し検討・理解するために有用となる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 永井学志, 山田貴博, 渡邊勝彦: "イメージベース有限要素法によるコンクリート材料の圧縮非線形挙動に関する研究-単純形状モデルとの比較による検討-"日本建築学会大会学術講演梗概集. A-1. 833-834 (2002)
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[Publications] G.Nagai, J.Fish, K.Watanabe: "Stabilized Nonlocal Model for Dispersive Wave Propagation in Heterogeneous Media"Proceedings of World Congress on Computational Mechanics. On Internet. 1-16 (2002)
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[Publications] 永井学志, J.Fish, 渡邊勝彦: "複合材料中を伝播する分散性波動の非局所型安定化モデル"計算工学講演会論文集. Vol.7. 509-512 (2002)
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[Publications] 永井学志, 大久保拓哉, 山田貴博, 渡邊勝彦: "イメージベース有限要素法によるコンクリート材料の非線形解析"日本機械学会2002年度年次大会講演論文集. Vol.II. 49-50 (2002)
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[Publications] 永井学志, 山田貴博, 渡邊勝彦: "等値面と不連続要素による複合材料の三次元有限要素モデリング"第52回理論応用力学講演会講演論文集. 299-300 (2003)