2002 Fiscal Year Annual Research Report
道路交通からの発生熱量のモデル化と都市のヒートアイランドへの影響評価
Project/Area Number |
14750498
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Research Institution | Niigata Institute of Technology |
Principal Investigator |
飯野 秋成 新潟工科大学, 工学部, 教授 (80272706)
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Keywords | 熱画像 / 自動車 / 表面温度 / 放射率 / ヒートアイランド / 道路交通 / 発生熱量 / 赤外線放射カメラ |
Research Abstract |
本研究は,車両の表面温度を求める方法として赤外線計測手法に着目し,赤外線放射カメラで収録した熱画像に映りこんだ反射成分を除去して車両の表面温度上昇による発生熱量を求める方法を提案する。さらに,道路交通からの発生熱量がヒートアイランドに与える影響を評価することを目的とする。本年度は以下のような成果を得た。 まず,対向面からの反射の影響を把握するため,車両表面材料のサンプルチップを用いて入射角度が0°と赤外線放射カメラの撮影角度を想定した30°のときの各材料の放射率を算出し,表面材質・塗装色・入射角度の違いによる分光放射特性の特徴を比較検討した。入射角30°の放射率は90%とほぼ一定で,残りの10%は反射している。つまり,建物屋上から赤外線放射カメラの撮影を想定した場合の入射角では,対向面の反射の影響が入りやすいことを示した。 この知見をもとに,8〜14μmの赤外線放射カメラで撮影された車両の熱画像を用いて,対向面からに映り込んだ反射の影響を取り除き,車両表面温度と放射率を同時推定する方法を提案した。補正後の表面温度と熱電対で計測した車両表面温度を比較することにより,本手法の有効性を示した。また,車両表面温度分布と気象要素の関係を検討し,夏季の日中の風速の弱い状況下では,停車中の乗用車の表面温度については入射日射量と気温のみによってほぼ説明することができることを示した。 来年度は,車両の走行状態の違いを考慮し,車種や塗料ごとに気象条件と車両の表面温度との関係を示すモデルを構築し,道路交通からの発生熱量がヒートアイランドに与える影響を分析する。
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