2002 Fiscal Year Annual Research Report
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14750678
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
清水 正毅 京都大学, 工学研究科, 講師 (10272709)
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Keywords | シリルボラン / ジボロン / インターエレメント化合物 / シリルホウ素化 / ジホウ素化 / カルベノイド / ジメタル化合物 / ジメタル化 |
Research Abstract |
まず,アルキリデン型リチウムカルベノイドとシリルボランやジボロンの反応を検討し,1-ボリル-1-シリルー1-アルケンおよび1,1-ジボリル-1-アルケンの簡便合成法を開発した。すなわち,ハロゲン化アルケニルの水素引き抜きあるいはジハロエテン誘導体のハロゲン-リチウム交換により-110℃で調製したカルベノイドに,同温度で(ジメチルフェニルシリル)(ピナコラート)ボランあるいはビス(ピナコラート)ジボロンを加え,そのまま室温まで昇温すると対応するgem-シリルホウ素化体あるいはジボリル化体が収率よく生成することを見つけた。これらのジメタル化体はシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製・単離することができる。このジメタル化法は(トリフェニルシリル)(ピナコラート)ボラン,(メチルジフェニルシリル)(ピナコラート)ボラン,系内で調製した(トリメチルシリル)(ピナコラート)ボランや光学活性ビス(ピナンジオラート)ジボロンにも適用可能である。得た1-ボリルー1-シリル-1-アルケンはパラジウム触媒を用いるカップリング反応において多官能性有機ホウ素反応剤として機能する一方,フッ化物イオンを活用することによってケイ素を手がかりとする新たな炭素-炭素結合伸長反応も可能な機能分子である。また,塩素やアセトキシ基あるいはメシルオキシ基などの脱離基を3位に有する1-アルキンのgem-シリルホウ素化反応を検討した。すなわち,末端アルキンにブチルリチウムを-110℃で作用させてりチウムアセチリドを調製しこれにシリルボランを加える,あるいはシリルボラン共存下にアルキンに-110℃でリチウムジイソプロピルアミドを加え,そのまま室温まで昇温すると,ボラート錯体の形成を経てシリル基がanti-S_N2'型に分子内1,2-転位して1-シリル-1-ボリルアレンが収率よく得られることを明らかにした。この反応では,出発化合物に光学活性プロパルギルアルコールを用いることによって1-シリル-1-ボリルアレンの軸性不斉合成が可能である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Kurahashi, T.Hata, H.Masai, H.Kitagawa, M.Shimizu, ^* T.Hiyama: "Geminal dimetalation of alkylidene-type carbenoids with silylboranes and diborons"Tetrahedron. 58. 6381-6395 (2003)
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[Publications] M.Shimizu, ^* T.Kurahashi, H.Kitaqawa, T.Hiyama: "gem-Silylborylation of an sp carbon : novel synthesis of 1-boryl-1-silylallenes"Organic Letters. 5. 225-227 (2003)