2002 Fiscal Year Annual Research Report
キイチゴ属植物自生種の遺伝資源収集、分子系統分類および園芸学的利用に関する研究
Project/Area Number |
14760022
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Research Institution | Akita Prefectural College of Agriculture |
Principal Investigator |
今西 弘幸 秋田県立大学短期大学部附属農場, 助手 (10320607)
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Keywords | キイチゴ属植物 / 遺伝資源 / 分子系統分類 |
Research Abstract |
(1)キイチゴ属植物の自生種の探索および収集を行った。開花期および結実期に種を同定するため、秋田県内を中心に各地で探索を行なった。自然環境保全法や自然公園法等で規制された地域に生育するものは、許可を得たうえで、探索・収集を行った。北日本地域には10種程度が自生していることが知られており、今年度はモミジイチゴ、ナワシロイチゴ、クマイチゴ等7種の自生種を収集した。種によっては、1個体のみの収集にとどまったもの、あるいは、まだ見つけられない種もあり、今後とも継続的に収集を行う予定である。 (2)欧米で育成された栽培品種・系統を収集した。わが国で保有していない多様な種や栽培品種を輸入するため、米国農務省National Clonal Germplasm Repositoryから導入を図った。輸入には植物防疫所の検疫に1年間を要し、今年度手元に届いたものは、導入申請した33品種・系統のうち2品種であった。今後とも継続的に導入を進める予定である。 (3)分子系統分類のためのPCR-RFLP法の条件の検討を行った。これまでに保有しているキイチゴ属植物(6種15個体)の葉からDNAを抽出し、材料とした。葉緑体DNAにあるrbcL遺伝子領域のタバコ用に設計されたプライマーを用いたところ、キイチゴ属植物においてもPCRによりDNA断片の増幅が認められた。この増幅断片をMbo I、Hap II等の7種の制限酵素で処理を行ったが、多型が検出されなかった。今後は、断片増幅の領域および制限酵素の選択について検討を行う予定である。 (4)現在保有している個体(6種15個体)を定植し、生育特性調査を行った。4月に本学附属農場に定植した個体の樹体生育、生態的特性等の生育特性について評価した。
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