2002 Fiscal Year Annual Research Report
ポリアミン生合成代謝経路の制御による果樹の機能改変
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14760023
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
本多 親子 独立行政法人農業技術研究機構, 果樹研究所・生理機能部, 研究職員 (40343975)
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Keywords | ポリアミン / スペルミジン合成酵素 / スプライシング |
Research Abstract |
リンゴのシュートから構築したcDNAライブラリーを用いて3種類のスペルミジン合成酵素遺伝子のcDNAを単離した(MdSPDS1,MdSPDS2a, MdSPDS2b)。これらcDNAの塩基配列に対応するゲノム配列及びサザンブロット解析から、リンゴのゲノム上にはSPDSの遺伝子座が2つ(SPDS1及びSPDS2)存在する可能性があり、3種類のcDNAは全て9つのエクソンと8つのイントロンから構成されていることが分った。また、MdSPDS1はゲノムSPDS1から転写された後スプライシングを受けないが、MdSPDS2aとMdSPDS2bはゲノムSPDS2から転写された後、異なる位置でスプライシングを受けることにより生じていることが明らかとなった。スプライシングにより転写された2種類のcDNA(MdSPD2a及びMdSPDS2b)の発現解析を行ったところ、MdSPDS2aは若い葉や果実で発現量が高く、一方のMdSPDS2bは成葉でRT-PCRにより発現が認められるものの、若い葉や果実では転写産物は検出されなかった。このように、スプライシングによりゲノムのSPDS2から転写された2種類のcDNAは組織、時期特異的に制御されていた。MdSPDS2aの転写産物は果実の生育に伴い増加したが、果実中の遊離型のスペルミジン含量は成熟に伴い減少したため、転写後、翻訳時及び翻訳後に制御されている可能性が示唆された。MdSPDS1をセンス及びアンチセンス方向で植物体に導入すべく、35Sプロモーターの下流にMdSPDS1を組み込んだバイナリーベクターを構築し、これをアグロバクテリウムに導入した。このアグロバクテリウムをリンゴに感染させたが、組換え体を作出することは今のところ成功していない。現在は、モデル植物であるタバコへの感染も試みている。また、順次他のポリアミン合成系遺伝子の単離を進めているところである。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Zhang Z, Honda C, kita M, Hu C, Nakayama M, Moriguchi T: "Structure and expression of spermidine synthase genes in apple : two cDNAs are spatially and developmentally regulated through alternative aplicing"Molecular Genetics and Genomics. 268・6. 799-807 (2003)