2002 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ステロールの脂質代謝撹乱作用の分子機構解明及び食事による撹乱防止に関する研究
Project/Area Number |
14760076
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
長田 恭一 弘前大学, 農学生命科学部, 助教授 (30271795)
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Keywords | コレステロール / 酸化 / 酸化ステロール / ラット / 食事 / 脂質代謝 / 代謝調節 |
Research Abstract |
加工食品中には無視できないレベルのコレステロール酸化物が存在している。そのため、生体内のコレステロール酸化物の供給源の大部分は食事由来のコレステロール酸化物である可能性が高い。しかし、in vitro研究で得られたコレステロール酸化物の生理機能に関する知見と比べると、食事由来コレステロール酸化物の生理機能に関しては未解明な部分が多い。この研究では、in vivoでのコレステロール酸化物の一連の有害作用について調べた。食事由来コレステロール酸化物の吸収はラットでは約30%であった。コレステロール酸化物を摂取した場合、コレステロール合成と異化を低下させたが、リノール酸不飽和化反応は促進された。このような脂質代謝変動作用は成熟ラットよりも未成熟ラットで顕著であったので、加齢に伴う代謝変動を撹乱することが危惧される。また、コレステロール酸化物はリンパ球の抗体産生システムおよび腹腔肥満細胞のヒスタミン放出を撹乱するなど、免疫機能にも影響を及ぼす可能性を突き止めた。しかし、大豆たん白質、大豆水溶性多糖類、乳ホエーたん白質、プロシアニジンあるいはカテキンはコレステロール酸化物が引き起こす有害作用を緩和した。このように、コレステロール酸化物は生理的に有害な因子であるが、食事成分の選択あるいはコンビネーションを図ることで、その有害作用を防止できるのではないかと考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 長田 恭一, 山田耕路: "食事と酸化コレステロール"オレオサイエンス. 2(5). 249-256 (2002)
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[Publications] K.Osada: "AOCS Press"Cholesterol oxidation products : Other biological effects, Chapter 14 in Cholesterol and phytosterol oxidation products : Analysis, occurrence, and biological effects. (ed by G.Francesc, C.D.Paresh, C.RafaelGuardiola F, Dutta P.C, Codony, R and C.P.Savage). 278-318 (2002)