2002 Fiscal Year Annual Research Report
モデル脂肪酸化合物を用いた天然脂質の酸化過程の数式化
Project/Area Number |
14760093
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Research Institution | Toyama National College of Technology |
Principal Investigator |
峰本 康正 富山工業高等専門学校, 物質工学科, 助手 (50342481)
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Keywords | 脂肪酸 / 酸化 / グリセリド |
Research Abstract |
初年度の課題として以下の3点について検討した。 1)高度生理活性を有する脂肪酸の酸化過程 脂肪酸化合物の酸化過程の数式化するためには脂肪酸の酸化過程が明らかでなければならない。脂肪酸化合物の合成に用いられる脂肪酸の1つに高度生理活性を有する共役リノール酸(以下、CLA)があるが、その酸化過程は十分に解明されていない。そこでCLAの酸化過程を検討した。その結果、CLAの酸化過程はリノール酸と同様の酸化過程であることが明らかとなった。しかし、その温度依存性は著しく、活性化エネルギがリノール酸と比較すると高かった。このことは報告されている研究と合致し、それらを裏付けるものとなった(論文印刷中)。 2)オレイン酸グリセリドの酸化速度 天然脂質のほとんどはグリセリドであるが、脂肪酸結合数によってモノ、ジ、トリの3種類に分けられる。これらの酸化速度は経験的に知られているものの十分ではない。そこで脂肪酸をオレイン酸に限定し、各々の酸化過程から酸化に及ぼす影響を検討した。酸化はモノ、ジ、トリの順番で進行した。これよりグリセリド中の遊離の水酸基が影響しているものと考えた。それを検証するため脂肪酸にグリセリンを混合させ酸化過程を測定した。当初、酸化速度はグリセリン含量に依存すると予想していたが、酸化速度の差異は認められず、グリセリン中の遊離の水酸基は酸化に影響を及ぼさないことが明らかとなった。 3)エチレングリコールーオレイン酸化合物の合成およびその酸化速度 2)の研究より、グリセリドの酸化過程にはその分子のコンフォメーションが影響しているものと予想した。そこでグリセリンの代わりに結合部位が2つのエチレングリコールとオレイン酸の合成物を調製した。合成した脂肪酸化合物の酸化速度は脂肪酸とグリセリドの中間に位置し、脂肪酸に結合するものの分子の大きさが酸化速度に影響することが示唆された(論文準備中)。
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Research Products
(1 results)