2002 Fiscal Year Annual Research Report
英国における大手食料小売企業のロジスティクスマネジメントに関する比較制度分析
Project/Area Number |
14760137
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
仙北谷 康 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (50243382)
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Keywords | ロジスティクスマネジメント / 食品小売市場 / 比較制度分析 / ナッシュ均衡 / 英国 |
Research Abstract |
従来の物流管理Distribution managementの概念は,ロジスティクスマネジメントlogistics managementに置き換わり,現在では,サプライチェーンマネジメントsupply chain managementが大手小売企業における企業戦略にとって重要な概念および実践となってきている. 1980年代の初期に,小売企業は小売活動を円滑化させるために物流部門の改善に取り組まざるを得なかったが,これを物流専門企業に委託することによって本業に専念することが可能になった.さらに1980年代中頃には,RDC(地域物流センター)の登場によってJITが一般化し,店舗における在庫管理の必要がなくなることによって売り場面積の拡張が可能となった.多くの場合,RDCは物流専門企業によって運営されている. このようにサプライチェーンマネジメントの展開には物流企業の役割に注目しなければならない.近年ではこれら物流専門企業が,戦略的なプランニング,倉庫および在庫管理,情報システムの開発,その他コンサルティングなど,より幅の広いサービスを製造業および小売業双方の企業に提供し始めている. 「東欧」民主化以降,西欧諸国における主要小売企業が中欧もしくは東欧に進出し始めているのであるが,その場合多くの企業は自国における物流企業との関係を進出先でも維持し,サプライチェーンマネジメントを委託している場合がみられる.これは諸外国における物流企業の活動のありようが,小売企業の国際化(globalization)の展開について重要な要因になっていることを意味している. 従来,サプライチェーンのイニシエーターとしての小売企業が注目されてきていたが,小売企業の本業専門化に伴って,物流専門企業のサプライチェーンマネジメント機能が重要になってきていることが明らかになった.
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Research Products
(1 results)