2003 Fiscal Year Annual Research Report
英国における大手食料小売企業のロジスティクスマネジメントに関する比較制度分析
Project/Area Number |
14760137
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
仙北谷 康 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (50243382)
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Keywords | ロジティクスマネジメント / 食品小売市場 / 比較制度分析 / 中欧 / 英国 / 移行経済 |
Research Abstract |
近年の英国における大規模食料品小売企業の動向は、本国における寡占化の強化と、グローバル化の進展を特徴として指摘することができる。シェア拡大に成功した代表的企業であるTESCOは英国内での事業展開の一方で他国での店舗展開にも積極に取り組んでいる。その代表的地域が中欧諸国(旧社会主義計画経済諸国)であるチェコ共和国、ポーランド、ハンガリーなどの国々である。 本研究第2年次では、これら中欧諸国における英国大規模食料品企業の展開を主として分析した。その理由は、第一に社会主義計画経済下にあった中欧諸国であっても、現在の食料品小売店の展開や青果物流通システムは各国によって大きく異なり、本研究の特徴である比較制度分析の対象として的確であると判断されたからである。第二に、これら諸国における英国の大規模食料品小売企業の展開は、その歴史が本国に比べて浅いため、その展開、とくにロジスティクスマネジメントの変遷をトレースすることが容易であると判断されるからである。 本年度は、ロンドンにおいて開催された第4回グローバルリティリング大会に出席し、TESCO、Carrefour等のグローバル化戦略について必要な情報を収集するとともに、チェコでの実態調査と、おもにポーランドにおけるTESCOの事業展開に関する情報収集を行った。 その結果、中欧におけるTESCOの事業展開は、青果物流通制度が未発達な国では当初は地元大規模青果物生産農場との間に、その農場生産物の納入と他農場からの集荷を任せるという、卸売機能も持たせた契約を結ぶが、店舗の増加とともに独自の地域物流センターを設置し、集約的なロジスティクスマネジメントを展開することが明らかになった。他方、食料品流通の担い手が一定程度展開している国では、それら企業をロジスティクスのアウトソーサーと利用し、急速に事業を展開していることが明らかになった。
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