2003 Fiscal Year Annual Research Report
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14770023
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
片野坂 公明 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (50335006)
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Keywords | 温度受容 / 一次感覚細胞 / 脊髄後根神経節 / 冷刺激 / TRPV1 / ヒスタミン / カプサイシン / 侵害受容器 |
Research Abstract |
温度刺激受容機構の解明を目的として、以下の実験をおこなった。 1,冷刺激感受性一次感覚神経細胞の応答特性の解析 冷刺激感受性細胞のキャラクタリゼーションをおこなうため、一次感覚細胞の細胞体を含む脊髄後根神経節(DRG)をラットから単離し、その初代培養細胞を用いて、冷刺激感受性細胞の割合と応答様式、および化学的刺激(カプサイシン、メンソール、マスタードオイル等)に対する感受性をカルシウムイメージング法により調べた。その結果、少しの温度低下に応答しメンソール感受性を示す既知の細胞群が見られたが、その他にもメンソール非感受性の細胞や、より低温側で緩やかな応答を示す細胞も見られた。今後、この低温側で反応する細胞からsingle cell RT-PCR等により冷刺激に関与する分子の同定を試みる。また炎症時の冷痛覚過敏の細胞機構を解明するため、炎症モデル動物のDRG細胞についても同様に応答特性を調べており、現在のところ健常個体の細胞と比べて冷感受性細胞の割合に群の増加傾向を見ているが、さらに測定例数を増やして検討する必要がある。 2,熱感受性イオンチャネルTRPV1のヒスタミンによる活性調節機構の解析 昨年度、ヒスタミンがH1受容体を介して、侵害受容器の熱感受性イオンチャネルであるTRPV1の活性化温度閾値を低下させることを示した。今年度は、この過程に関わる細胞内情報伝達系を明らかにするため、まずTRPV1のリン酸化の関与を検討した。既に同定されているTRPV1リン酸化部位のアミノ酸置換により、この閾値低下がTRPV1のリン酸化によることを確認した。さらに各種リン酸化酵素の阻害剤を用いて、PKCが関与することを明らかにした。しかし、強制発現系を用いた今回の実験では、複数種のPKCやPKAの寄与も若干認められるため、今後DRGの細胞を用いてリン酸化酵素の種類に関しての再検討を行なう。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Takahashi K, Katanosaka K, Kozaki Y, Sato J, Mizumura K: "Alteration of primary afferent nerve fibers in adjuvant-monoarthritic rats hypersensitive to cold"The Japanese Journal of Physiology. 53・supple.. S240 (2003)