2002 Fiscal Year Annual Research Report
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌MRSAの院内感染の疫学調査
Project/Area Number |
14770213
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
小松崎 眞 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (30266621)
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Keywords | MRSA / 疫学 / コホート研究 / PFGE / サーベイランス |
Research Abstract |
【MRSAの疫学調査】 調査目的:NICU/GCUにおけるMRSA定着/感染例の傾向の把握。研究デザイン:コホート研究。結果:-入室日-ハイリスク妊娠-IUGR-前期破水-羊水-分娩週数-分娩-出生児体重-APGAR score-基礎疾患-部屋-ベッド配置-人工呼吸器-チューブ経路-酸素マスク-点滴-点滴経路-点滴薬剤-ヘパ止め-A-line-経管栄養-栄養種類-気管吸引回数-吸引口鼻回数-オムツ回数-面会回数-授乳回数-抗菌薬について、単変量ならびに多変量解析の結果、有意なリスクは見出せず。考察:感染経路は単一ではなく、日頃の様々な医療行為/ケアを通じて、感染が拡大している可能性を示唆した。 【PFGE解析】 NICU/GCUにおいて分離された,MRSA、acinetobacter、Enterobacterについて、PFGEを施行した。それぞれに複数の菌株が存在した。長期入院患児ほど、3者の感染率が高い傾向がみられた。3者の感染について、菌株に相関はみられず、やはり感染経路が多様である可能性が示唆された。 【細菌検査室データを利用した病院内感染の全自動警報システムの開発】 目的:パラメーター、閾値設定法の選定。方法:Epi6.04c(CDC、Atlanta、USA)他を用いて解析した。結果:パラメーターは新規陽性者数が最も有用であった。Poissonを適応することは妥当と考えられた。Scanはより広くclusterを検出できた。考察:有用性を評価しなければならないが、現実的で有望なシステムと考えられた。 【今年度までの結論】 NICU/GCUにおけるMRSAの感染経路は特定の医療行為に関連しているわけではないため,日頃からの標準予防策,接触予防策を遵守することが肝要と考えられた.
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