2002 Fiscal Year Annual Research Report
鳥取県大山町における神経疾患の疫学調査―予防的医療指導システムの構築をめざして―
Project/Area Number |
14770290
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
楠見 公義 鳥取大学, 医学部附属病院, 助手 (60304234)
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Keywords | 疫学研究 / 認知機能 / ビタミンC, E / ホモシステイン / MMSE |
Research Abstract |
神経疾患発症の栄養学的観点からみた予防的医療システムの構築を目的とし,鳥取県大山町の一般住民を対象として神経疾患のスクリーニングを行い,詳細な食事調査と種々の血液成分の測定(脂質,脂肪酸分画,ホモシステイン,ビタミン各種等)により,食生活に関連した神経疾患の危険因子の同定を試みるため,本年度は認知機能と栄養に関する血液成分との比較検討を行った. 大山町住民466名(男146名,女320名,平均年齢69.8歳)を対象として,町内で行われた健康相談(月1回),体操教室,痴呆予防教室,在宅訪問診査(月2〜3回),住民一般検診などの機会において文書にて同意を得た後,神経内科専門医により一般理学的,神経学的診察を行うともにMini-mental State Examination (MMSE)を行った.MMSEを得点別(H:28-30,M:25-27,L:21-24)の3群に分け,同時に行った各種血液検査値および赤血球脂肪酸分画値との関連性を検討した. 認知機能と血中総コレステロール,HDLコレステロール,中性脂肪,GOT, GPT, HbA1c値など一般血液検査各平均値とMMSE各群との明らかな差は認められなかった.血中ビタミン値および総ホモシステインとの比較においてはビタミンCおよびEにおいてL群が各群と比較し低値を,総ホモシステインにおいては高値を示した.H群に対するL群のオッズ比の検討(年齢,性別補正後)では,ビタミンC, Eが用量依存的に低値を,ホモシステインは高値を示した.本年度の結果において欧米での報告と同様にわが国における高齢者の認知機能と血清ビタミンC, Eおよび血清総ホモシステイン濃度との関連性が示唆された.
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