2002 Fiscal Year Annual Research Report
再生不良性貧血におけるテロメラーゼ活性の測定とテロメラーゼ構成要素の異常の検索
Project/Area Number |
14770544
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
嶋田 高広 近畿大学, 医学部附属病院, 助手 (90319674)
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Keywords | 再生不良性貧血 / テロメラーゼ活性 / flow-FISH法 / stretch PCR assay / DKC1 |
Research Abstract |
再生不良性貧血(AA)は骨髄の低形成を特徴とする難治性の造血障害である。AAでは対照群に比べテロメアが短いという報告がある。Dyskeratosis congenitaではテロメラーゼの構成要素の遺伝子に突然変異が検出され、テロメラーゼ活性が減弱していることが骨髄不全の原因であることが報告された。このことからAAの一部でも、造血幹細胞のテロメラーゼの構成要素に異常がおきたためにテロメラーゼ活性が減弱し、造血障害が起きている可能性が考えられる。これをあきらかにするためAAにおいてテロメラーゼ活性およびテロメラーゼの構成要素の突然変異についてスクリーニングをおこなう。 近畿大学医学部血液内科においてAA、または低形成の骨髄異形性症候群と診断した症例と、年齢を合わせた健常者から末梢血単核球および骨髄単核球の採取を試みているが得られる細胞数が少なく難航している。十分に細胞数の得られた症例に関してはflow-FISH法によりテロメア長の測定をおこなっている。今後テロメア長が明らかに対照群に比較して短い症例についてはstretch PCR assayによりテロメラーゼ活性を測定する予定である。一部の症例に関してはPCRで合成したDKC1、GAR1のcDNAをプローブとしてサザンブロットによるスクリーニングを行い、健常者のバンディングパターンと比較している。また一部の症例に関してはDKC1についてPCR-single strand conformation polymorphism analysis法(SSCP)を用いて点突然変異のスクリーニングを行っている。今後バンディングパターンに異常の認められた症例に関してはDNAシークエンシングを行い変異部位を解析する予定である。
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