2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14770697
|
Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
福永 周司 久留米大学, 医学部, 助手 (90261073)
|
Keywords | 組織工学 / 異種大動脈弁グラフト / 除細胞法 / TritonX / SDS / Trypsin |
Research Abstract |
1.研究目的 現在種々の大動脈弁疾患に対して用いられる各種人工弁には耐久性、抗凝固療法の継続、拒絶反応などの欠点が指摘されている。本研究では組織工学を用い、異種細胞外構築を使用した大動脈弁グラフトを作成し、その有用性および臨床応用の可能性を検討する。今年度は異種細胞外構築を作成するための除細胞法を確立させる実験を行った。 2.方法と結果 健康ブタより大動脈弁付き動脈グラフトを採取し、同グラフトをTritonX(1%,5%,10%),SDS(1%,5%),Trypsin(0.05%)を用いて各solutionで24時間または48時間の除細胞を行い(n=36)、除細胞後のグラフトの形態学的、組織学的検討を行った。TritonXを用いた除細胞法ではいずれの条件においても大動脈弁および大動脈の表層のみが除細胞され、組織全層にわたる除細胞は行えなかった。SDSを用いた除細胞法では1%SDS(48時間)によってほぼ全層が除細胞され、5%SDS(48時間)で全層の除細胞が可能であった。0.05%Trypsin(48時間)でもほぼ全層の除細胞が可能であったが、一部中膜の弾性線維のに断裂を生じているものがあった。いずれのsolutionにおいても24時間のincubateでは十分な除細胞はできなかった。 3.まとめ 以上の結果からSDSまたはTrypsinは異種細胞外構築作成に使用することができると考えられた。今後両solutionを用いて動脈グラフトを作成し実験を継続する予定である。
|