2002 Fiscal Year Annual Research Report
拡散強調画像を用いた大脳白質神経路画像の病理学的検討
Project/Area Number |
14770721
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
儘田 佳明 東海大学, 医学部, 講師 (50266417)
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Keywords | 核磁気共鳴画像 / 拡散強調 / 大脳白質線維 |
Research Abstract |
平成14年度の目標は大脳白質線維の解剖学的描出を行うため、MRIでの拡散強調画像の撮像条件の適正化と、データをoff-lineコンピュータへの転送システムの確立、データ解析ソフトの導入と動作確認ならびに正常ボランティアでの施行であった。まず購入したパーソナルコンピューターにIDL(version5.5)ソフトをインストールした。さらにそのソフト上で動作する拡散強調画像のtensor data setを解析して白質の解剖を描出することができるソフトを導入、その動作環境の最適化を行った。これに平行して、EPIによる拡散強調画像のtenor dataを得るために最適な撮像条件の検討を行った。正常ボランティア5名を用いて各種パラメータを変更しながら撮像を繰り返し、最も画像のノイズが低いものを選択した。そのパラメータはmultislice segmented echoplanar法で、心迫同期を併用し、matrix ; 128x128, FOV ; 240x240, slice thickness ; 3mm, TR=5, TE=92, b-factor ; 800であった。6方向にdiffusion gradientをかけ、tensor data setを取得した。MRIマシーンからoff-lineコンピュータへの転送はMRIマシーンと直接接続されたコンピュータを経由して、MOもしくはCD-Rに書き込み、これを画像解析ソフトを導入したコンピュータに保存した。得られたdata setから大脳白質線維の走向を描出させるために、tracking機能を用いた。tracking該当線維の走向上に関心領域を設定する必要があるが、これは既知の神経解剖図譜を参考に設定し、その線維連絡が解剖学的に一致した経路をたどってその中枢である皮質に達するかを見極めつつ、最適な関心領域の設定を行った。その結果、頭蓋内錐体路、視放線、脳梁を経由する線維の描出に成功した。しかしながら問題点として、呼吸運動などによる不可避な体動によるアーチファクトが線維経路の描出に大きく影響するため、撮像時間の短縮を中心とした撮像条件の再検討が必要であると思われる。
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