2002 Fiscal Year Annual Research Report
間葉系幹細胞移植および遺伝子導入を応用した腱修復の促進
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14770729
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
長田 龍介 富山医科薬科大学, 附属病院, 助手 (40293310)
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Keywords | 腱修復 / 腱癒着 |
Research Abstract |
本研究の主たる目的である腱断裂縫合部の癒合にBMP12が与える影響に関する実験においては縫合後に修復された腱の力学的強度の変化が最も重要である。牽引試験に耐え得る長さを有する家兎の趾屈筋腱を用いて腱縫合後の経時的組織学的変化および力学的強度、周囲組織との癒着に関するコントロール実験を行った。家兎趾屈筋腱を切離縫合し、術後1,2,3,6週間の変化を追跡することで組織学的変化の傾向を捕らえることが出来た。すなわち1,2週間で縫合部に溜まった血腫が徐々に腱周膜由来の線維芽細胞からなる肉芽に置換され、3週間で架橋がほぼ完成し、さらに6週間でより成熟する様子が観察された。しかし一方、力学的な強度については錘を用いた簡易な方法では十分に評価できず数値にばらつきが認められた。BMP添加の効果を判定する前に再現性のあるコントロール群を作成するため、コンピュータに接続可能なデジタルフォースゲージを購入し、標準的な腱縫合モデルの力学的定量性を高める実験に着手した。周囲組織と周囲組織の間隙には3週間まで著しく増殖した肉芽組織で満たされ、6週には肉芽増殖が鎮静化していた。この癒着の強さについても今回購入した引っ張り強度試験機の使用により定量化し、再現性の高い癒着モデルを作成する実験も同時に行っている。個々の趾屈筋腱は細すぎて評価に耐えられないので現在趾屈筋の下腿後面部分腱成分を対象に骨折や挫滅を伴う場合の外傷後の腱癒着作成も試みている。以上の腱縫合、癒着モデルが出来た後にBMP-12添加による腱縫合の癒合促進、および早期癒合に伴う早期運動訓練の癒着減少効果について検討する予定である。
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