2002 Fiscal Year Annual Research Report
筋骨格モデリングソフトを用いた変形性膝関節症症例の手術前後における力学的動態解析
Project/Area Number |
14770730
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
川原 英夫 福井医科大学, 医学部附属病院, 助手 (50283172)
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Keywords | 変形性膝関節症 / 筋骨格モデリングソフト / 歩行分析 |
Research Abstract |
変形性膝関節症(膝OA)症例と年齢をあわせたcontrol群の筋力測定、および歩行分析を行った。 Hill type modelを用いた筋骨格モデリングソフト(SIMM Gait ; Motion Analysis Corporation, Santa Rosa, USA)を用いて、膝OA症例の病期別および人工膝関節置換術(TKA)前後における膝関節周囲筋の経時的筋収縮幅および筋力を計測した。膝OA症例における大腿二頭筋長頭の歩行中最大筋腱長の平均CVは2.0%(0.1-4.8)、ICCは0.97、最大筋力の平均CVは1.6%(0.2-4.7)、ICCは0.98であり、非常に高い再現性を得た。内側型膝OA初期症例では、膝関節・股関節周囲筋の筋力や関節位置覚の低下が見られ、荷重時における膝関節のscrew home movementが破綻し、膝内側顆部の支持機構の破綻を引き起こすことが、膝関節内側コンパートメントの変性をきたし、内側型膝OAの進行に関与していることが分かった。また、TKAを行なったことによる下肢alignmentの改善や疼痛の緩和、関節可動域の増加等だけでは前額面の動的筋機能は改善がみられても、矢状面での動的筋機能は早期に改善が得られなかった。現在Neptuneら(J Biomech Eng 1998)に準じて、サブルーチンソフトウェアDynamics Pipelineおよび機構解析ソフトウェアSD/FASTを用いて、変形性膝関節症症例の自転車こぎモデルを作製し、膝周囲筋の刺激(活動度)パターンを与えることにより、重力を考慮した筋-骨格モデルの順動力学解析を行っている。
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