2003 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺癌の遠隔転移におけるケモカインレセプターの関与
Project/Area Number |
14770809
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
安本 博晃 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (20314750)
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Keywords | 前立腺癌 / 遠隔転移 / ケモカイン / ケモカインレセプター |
Research Abstract |
1)ヒト良性前立腺上皮と前立腺癌細胞におけるケモカインレセプター発現 前立腺癌組織35例,正常前立腺組織8例で,抗ヒトCXCR4モノクローナル抗体を用い,免疫組織化学染色を行いCXCR4の発現の有無と血清PSA値,臨床病期,組織学的分化度について検討した.(結果)前立腺癌組織35例中20例(57.1%)において癌細胞にCXCR4の発現が認められたが正常前立腺組織ではCXCR4の発現を認めなかった.血清PSA20ng/ml以上の症例において,CXCR4陽性率は骨転移と有意な相関を認めた(P=0.017).肺転移を認めた3例は共にCXCR4強陽性であった. 2)ヒト前立腺癌細胞株、ヒト初代培養前立腺上皮細胞株(PrEC)でのケモカインレセプター(CXCR-4)とリガンド(SDF-1)の発現と機能 ヒト前立腺癌細胞株PC-3,DU145,LNCaPとPrECにおけるCXCR-4とSDF-1の発現解析をRT-PCR法にて行った.ポアフィルターチャンバーを用いた遊走能試験で遊走能を測定した.SDF-1の前立腺癌細胞に対する増殖刺激に関してMTT assayを行った.(結果)PC-3,DU145,LNCaPではCXCR4 mRNAの発現を認めたが,PrECでは認めなかった.SDF-1はpositive controlのリンパ節組織では発現を認めたがPC-3,DU145,LNCaP, PrECでは発現を認めなかった.PC-3,DU145ではSDF-1により容量依存性に有意な遊走細胞数の増加が観察され,この反応は抗CXCR4中和抗体によりPC-3では39%抑制され,DU145では50%(P p>0.05)に抑制された.しかし遊走能を示す1〜100ng/mlの濃度内で増殖刺激効果を認めなかった. 以上より前立腺癌細胞におけるCXCR4の発現は遠隔転移の成立に関与していると考えられる.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yasumoto H., Matsubara A., Mutaguchi K., Usui T., WL McKeehan: "Restoration of Fibroblast Growth Factor Receptor 2 Suppresses Growth and Tumorigenicity of Malignant Human Prostate Carcinoma PC-3 Cells."Prostate. (in press).
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[Publications] Mutaguchi K., Yasumoto H., Mita K., Matsubara A., R Dahiya, Usui T.: "Restoration of insulin-like growth factor binding protein-related protein 1 has a tumor-suppressive activity through induction of apoptosis in human prostate cancer."Cancer Research. 63・15. 7717-7723 (2003)