2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14770995
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
田原 孝子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (50318961)
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Keywords | 一酸化窒素 / 一酸化窒素合成酵素 / 一酸化窒素合成阻害薬 / 熱傷 / 血管透過性 |
Research Abstract |
熱傷時の熱傷創部障害に及ぼす一酸化窒素(NO)と一酸化窒素合成酵素(NOS)の役割について、血管透過性を判定基準として検討した。組織障害は、深達性・度熱傷作製部位の血管透過性亢進に伴うエバンスブルー色素の漏出量を指標とした。NOS阻害薬のLNAMEは、予防投与および治療投与いずれの場合も、熱傷に伴う創部血管透過性を用量依存的に抑制した。アミノグアニジンも、N_-nitro-L-arginine methyl ester(LNAME)と同様な抑制を示したが、熱傷受傷早期の血管透過性には効果なかった。NOSには内皮細胞型と誘導型の2種類知られており、アミノグアニジンは比較的誘導型NOSに選択的な阻害を示す事が知られている。アミノグアニジンは、熱傷受傷6時間以降の血管透過性を抑制した事から、熱傷創部周囲に誘導型NOSの誘導がおこり、炎症を増悪している可能性が示唆された。同時に、免疫組織学的検討に於いて熱傷受傷6時間以降の熱傷創部周囲に、誘導型NOS蛋白免疫反応物質が染色された。これらの事から、内皮型および誘導型NOSによって産生される一酸化窒素が、熱傷受傷部位ならびにその周囲の組織障害(特に血管透過性亢進反応)に大きく関与していることが示唆された。
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