2002 Fiscal Year Annual Research Report
数理形態学を応用した骨粗鬆症患者における骨形態画像診断
Project/Area Number |
14771048
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
中村 貢治 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (50298238)
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Keywords | Mathematical Morphology / Star Volume Analysis / Computed Radiography / Bone morphometry |
Research Abstract |
(1)摘出骨ブロックにおける骨内部構造解析 摘出したヒト大腿骨骨頭より骨ブロックを作製し、その骨ブロックに対してマイクロフォーカス管とCR用Imaging Plateを組み合わせることによりデジタル画像情報をCR用光ディスクに保存した。次に、その画像情報をCR Workstationに転送し数理形態学を応用したモルフォロジー処理を行い合計11種類の骨格2値画像を作製し、骨梁内部骨格構造の特徴抽出を行った。また、これと平行して、各モルフォロジー処理画像情報を用いてStar volume法を行い、定量解析を行った。また、小動物用DXAを用いてBMDを測定し、その後、骨強度を計測するために圧縮物理学的特性試験を行い、それぞれ比較検討した。その結果、BMDの上昇に伴って骨強度は上昇する傾向を示したが、ブロックによってはBMDがほぼ同じでも骨強度が大きく異なったものがみられた。特に、荷重方向に対して垂直で高い連結性を示す骨格パターンを有する骨ブロックほど高い骨強度を示した。一方、Satr Volume解析法と骨強度との相関は一部でほぼBMDに近い値を示した。そして、sumset imageではBMDよりも高い値を示し、骨格の連結性がBMDと同等かそれ以上に骨強度に関係していることを示した。またBMDとSatr volume解析法との間に高い相関が認められないことから骨梁のBMDと連結性(conectivity)は各々独立して骨強度に関与していることを示した。 (2)各骨形態学的手法におけるその解析精度と意義 CR用ワークステーション上に様々な図形を作製、配置しこれらを5段階もしくはそれ以上の段階ごとに面積を増加していき、それぞれの図形におけるStar volume解析を行った。そして、演算に必要なピクセルサイズ、方向性、角度を変化させることによってStar Volum解析による内部構造連続性の精度について検討した。その結果、各図形別に測定したStar volume解析結果はそれぞれの図形の面積が増加すると理論的測定値とほぼ一致した。また、その誤差は10%以内であった。しかしながら、三角形におけるその誤差は20%であった。次に角度分解能を変化させたものでは、それぞれの値はほぼ同じ値を示し、その誤差はVt、Vm共に5%以内であった。以上の結果からStar Volume解析は、その形態や測定角度間隔に影響される事なくほぼ理論値に近い値を測定する事が可能である事が示唆された。また、三角形のような比較的鋭利な形態のものでは若干の影響を受ける事も推測された。そして、これらの方法を組み合わせることにより骨の強度に密接な関係を持った骨質としての総合評価を視覚的、定量的に評価することが可能であるかもしれないことが示唆された。
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Research Products
(1 results)