口腔ケアが咬合力の改善および口腔内細菌叢におよぼす影響

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14771213
• Research Institution: Fukuoka Dental College
• Principal Investigator: 山本 清 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (60320339)
• Keywords: 口腔ケア / 脳血管障害後遺症 / 咬合圧 / 口腔内細菌叢

Research Abstract

口腔清掃の十分に行われている施設、行われていない施設の比較を予定していたが、新設の介護老人保健施設において、入所直後と口腔ケア実施後で咬合圧、口腔細菌叢の変化を測定し評価することとした。
入所直後の口腔内環境はこれまでの生活習慣や環境によりさまざまであり、視診において要治療歯、欠損部の放置も多くみられ、また欠損補綴が行われていても不適切である場合が多かった。口腔清掃については自宅介護あるいは以前入所していた施設での介護状況が不明であったが、入所時に十分に清掃が行われている場合は少なく、多くは清掃不十分であった。本人の日常生活自立度や介護者の口腔清掃に対しての関心の程度により差が生じていると思われた。
咬合圧測定については、ジーシー社製咬合力測定システムを使用しているが、脳血管障害後後遺症のため測定は十分に行えなかった。咬合圧の測定にはフィルムを使用するが、不随意運動やコミュニケーション障害のため十分な咬合が得られない場合も多く、またばらつきが多かった。測定当日のコンディションにも左右されている。数回のタッピングさせる方法や、フィルムを繰り返し咬ませる方法による比較も行っているが、安定した結果が得られず結果として対象者の咬合圧を測定評価することは現在の時点でできていない。口腔内細菌叢については刺激時唾液を使用し簡易培養による測定を予定していたが、咬合圧測定と同日に唾液採取を行うため、安定した咬合圧測定が可能と思われた時点で開始する予定である。
本年度は十分な調査結果が得られず、一定条件下での咬合圧測定および口腔内細菌叢調査を行う方法の検討を行うにとどまった。