2002 Fiscal Year Annual Research Report
PRPおよび各種細胞を組み込んだアテロコラーゲンによる組織工学に関する研究
Project/Area Number |
14771216
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
齊藤 宜則 新潟大学, 歯学部附属病院, 助手 (00334673)
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Keywords | Platelet rich plasma(PRP) / アテロコラーゲン / 骨芽細胞 / 歯根膜細胞 / 石灰化 / RT-PCR |
Research Abstract |
1.Platelet rich plasma(PRP)の作成 5週齢近交系ラット(Lewis系)の腹大動脈より血液8ccを採取し、遠心分離(1,500rpm)にかけ、上清を除去したのち、さらに3,000rpmで遠心分離を行ってPRPを得た。得られたPRPは通常のラット血液に含まれる血小板数の約3倍から5倍の血小板数であった。 2.アテロコラーゲンを使用した各種細胞の培養とその評価 7週齢Lewisラット下顎臼歯を抜歯し、歯根より歯根膜組織を採取したのち、α-MEM/10%FBSにて培養を行って5代継代したものを歯根膜細胞とした。また、骨芽細胞様細胞としてラット骨肉腫由来のUMR106を同様の培地にて培養したものを以下の実験に供した。なお、アテロコラーゲンはKOKENCELLGEN(高研)I-PCを培養皿にコートして使用した。 (1)細胞の石灰化:石灰化はα-MEM(2%FBS、1μMデキサメタゾン、10mMβグリセロリン酸、50μg/mlアスコルビン酸含有)の石灰化促進培地で行った。UMRは20日後、歯根膜細胞は30日後にアリザリンレッドにて染色、その後10%CPCにて石灰化の定量を行った。実験は以下の3群に分けて行った。(1)PRP群:0.5%PRP添加、(2)アテロコラーゲン群:I-PCをコートしたもの、(3)PRP+アテロコラーゲン(I-PC)併用群である。その結果、UMR106、歯根膜細胞ともにアテロコラーゲンとPRP併用群で有意に石灰化がみられた。 (2)RT-PCR:各細胞のPRP添加後の遺伝子発現を調べるため、骨芽細胞のマーカー遺伝子(アルカリフォスファターゼ、Runx2/Cbfal、オステオカルシン、BSP)を用いてRT-PCRを行った。培養条件は石灰化実験と同様の条件で行った結果、UMR、歯根膜ともにアテロコラーゲンとPRPの併用群でオステオカルシンの早期発現がみられた。
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