2002 Fiscal Year Annual Research Report
条件的不死化細胞株を用いた血液―胎盤関門の胎児解毒機構と薬物間相互作用の解析
Project/Area Number |
14771343
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Research Institution | Kyoritsu University of Pharmacy |
Principal Investigator |
飯笹 久 共立薬科大学, 薬学部, 助手 (80306662)
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Keywords | TR-TBT / OAT4 / RST / ABCP |
Research Abstract |
温度感受性SV40T抗原トランスジェニックラットより樹立した、合胞体栄養細胞株TR-TBTを用いて、胎児老廃物の輸送活性を調べた。その結果、TR-TBTにはorganic anion transporter 4 (OAT4)の基質であるDehydroepiandrosteron-3-sulfate (DHEA-S)のbasal側からの取込み活性があり、その活性はOATの基質とorganic anion transporting polypeptide(OATP)の基質により抑制された。したがって合胞体栄養細胞では、OAT、OATPの2つの経路によりDHEA-Sが排出されている事が予想された。TR-TBTには、oatp2が発現し、oatp2特異的阻害剤であるdigoxinによりDHEA-Sの取込みは部分的に抑制されたことから、OATPシステムとしてはoatp2が予想された。次に、OAT4のラットホモローグの発現を調べるために、ヒトOAT4とマウスrenal specific transporter (RST)の相同部分でプライマーを作成し、RT-PCRを行った。その結果、ラットRSTが胎盤に発現している事が明らかとなった。現在、TR-TBTにおけるラットRSTの機能と、ラット胎盤におけるoatp2の局在を免疫染色により調べている。 次に我々は、TR-TBTにおけるラットABCPの発現とその機能を解析した。RT-PCRの解析から、TR-TBTにはラットABCPが発現し、またABCPの基質であるミトキサントロンやトポテカンの取込み活性が認められた。これらの活性は、ATP依存的であった事から、ABCPの寄与が予想された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Kitano T, Iizasa H et al.: "Polarized glucose transporters and mRNA expression properties in newly developed rat syncytiotrophoblast cell lines, TR-TBTs"Journal of Cellular Physiology. 193(2). 208-218 (2002)