2002 Fiscal Year Annual Research Report
山間地域における介護サービス提供者と住民の実証的研究
Project/Area Number |
14771395
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Research Institution | University of Shizuoka,Shizuoka College |
Principal Investigator |
小川 亜矢 静岡県立大学短期大学部, 助手 (00342080)
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Keywords | 介護サービス / 山間地 / 介護者 / 住民 |
Research Abstract |
本年度の研究では、訪問サービスを提供する事業者が、山間地域において訪問サービスの提供をする際の不安要因について明らかにし、今後の「s市山間地域介護報酬加算補助金」制度の課題を検討した。 方法は静岡市で訪問サービスを提供している全71事業所に、調査用紙を郵送し、返送を依頼した。 結果、50事業所から有効回答を得た(回収率70.4%)。サービス提供事業者が山間地へ訪問することに対して不安要因のある項目を「非常に不安に思う」「ある程度不安に思う」「全く不安に思わない」「考えたことがない」の4段階で評価した。その結果「非常に不安に思う」と答えた項目で高い割合を示したのは、距離が遠すぎる(57.1%)、積雪時の対応ができない(50.0%)、冬季の凍結が恐い(50.0%)、職員の確保が難しい(42.9%)であった。「全く不安がない」と答えた項目で高い割合を示したものは、山間地域の利用者の情報が得られないため事業計画が立てられない(61.2%)、採算が合わないため(57.1%)であった。各質問項目を交通事情、季節・天候問題、連携の問題、経済面の問題の4つの問題に分類した時、もっとも不安に思うことは「季節・天候問題」(47.0%)だった。山間地域の訪問の有無により不安のある、なしに関しては有意な差があった(P<.05)。また交通事情、季節・天候問題、経済面の問題に関しては有意差を認めなかったが、「連携の問題」は有意な差を認めた(p<.05)。 これらの結果より「静岡市山間地域介護報酬加算補助金」制度の利用など経済面だけのサポートではなく「季節・天候問題」や「連携の問題」を考えていく必要がある。また、現在山間地域において訪問サーピスを提供していない事業者は「連携の問題」について不安を感じていることから、今後はサービスを提供している事業者側の意見をまとめ、教育していくことが必要である。
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