2003 Fiscal Year Annual Research Report
居住者にわかりやすく揺れ性能レベルを説明する資料の提案
Project/Area Number |
14780065
|
Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
野田 千津子 日本女子大学, 家政学部, 助手 (80270221)
|
Keywords | 水平振動 / 鉛直振動 / 居住性能 / 知覚閾 / 感覚評価 / 性能説明 / コミュニケーション / 性能表示 |
Research Abstract |
本年度は,これまでに実施してきた被験者に対する振動感覚実験,ユーザーや専門家に対するヒアリング・アンケート調査や実態・実測調査の結果をふまえ,ユーザーによりわかりやすく,実感できる表現として揺れ性能を説明するための資料を提案した。本年度は特に,従来より検討してきた水平方向の揺れに関する性能説明資料の試案をほぼ確定した段階で,対象となる揺れを鉛直方向に拡大するため,鉛直振動に対する感覚評価を知るための被験者実験を行った。 これらの実験結果に基づいて,揺れ性能の説明に用いる項目の種類や数,説明資料としてのわかりやすさなどについて試行錯誤を繰り返した。その結果,揺れに対する知覚閾および感覚評価における回答確率が,居住性能評価の対象となる加速度範囲でほぼ0〜100%に変動する項目を選択し,振動数ごとに各項目の回答確率を加速度最大値と対応させた説明資料を提示した。これによって「○%の人が××と感じる」という具体的な表現で,揺れ性能レベルを段階的に評価することが可能であり,ユーザーに身近な表現で示されたこれらの性能レベルが何galに相当するのか,専門家が設計指標としてくみ取れる資料を提示した。これらの結果は,日本建築学会から4月に刊行予定の「建築物の振動に関する居住性能評価指針・同解説」に反映されている。
|
Research Products
(9 results)
-
[Publications] 前田薫子: "水平振動感覚における個人差の類型化に関する分析"建築雑誌 2001年度「研究選集11」. 118・1505. 075 (2003)
-
[Publications] 井上和永: "水平振動に対する居住性能評価曲線とその説明資料の提示-その1 体感と視覚による知覚閾に基づいた評価曲線-"日本建築学会大会学術講演梗概集(環境工学I). 299-300 (2003)
-
[Publications] 石川孝重: "水平振動に対する居住性能評価曲線とその説明資料の提示-その2 ユーザーに対するわかりやすい説明資料の必要性-"日本建築学会大会学術講演梗概集(環境工学I). 301-302 (2003)
-
[Publications] 野田千津子: "水平振動に対する居住性能評価曲線とその説明資料の提示-その3 説明資料を用いた性能説明と設計指標の設定-"日本建築学会大会学術講演梗概集(環境工学I). 302-303 (2003)
-
[Publications] 野田千津子: "鉛直振動に対する感覚評価に関する実験的研究"日本建築学会関東支部研究報告集(環境工学). 687-690 (2004)
-
[Publications] 野田千津子: "知覚確率と心理評価に基づいた環境振動に対する性能評価とその説明資料"日本建築学会関東支部研究報告集(環境工学). 691-694 (2004)
-
[Publications] 石川孝重: "知覚確率に基づいた床スラブの鉛直振動に対する居住性能評価"構造工学論文集. 50B(予定). (2004)
-
[Publications] 野田千津子: "安全を再び神話にしないために-建築の社会的責任とは-(優秀賞受賞)"第3回学生および若手の技術者・研究者の論文コンペ「新たな挑戦:建築への提言」. (予定). (2004)
-
[Publications] 石川孝重: "建築物の振動に関する居住性能評価指針・同解説"日本建築学会(予定). 140 (2004)