2002 Fiscal Year Annual Research Report
逐次積層型高分子超薄膜を用いた生医学材料ナノコーティング
Project/Area Number |
14780643
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
芹澤 武 鹿児島大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (30284904)
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Keywords | 高分子電解質 / 多層超薄膜 / 逐次積層 / 生体高分子 / 静電相互作用 |
Research Abstract |
生医学材料として期待される正、負それぞれの電荷を有する高分子電解質(多糖、ポリアミノ酸、あるいはモデル系としてのビニル高分子など)を選択し、交互吸着法による逐次積層により基板上に高分子超薄膜を調製した。得られた超薄膜を生医学材料に適用するためのアプローチとして、タンパク質吸着特性、細胞認識性、血液適合性、分解特性について、超薄膜を構成する高分子種および超薄膜の構造特性(膜厚、最表面の高分子種、あるいは膜表面の電荷密度など)といった観点から詳細に検討した。これらの生体活性を包括的に検討するために、本研究では、まず正電荷を有する高分子としてキトサンを、負電荷を有する高分子としてデキストラン硫酸を選択した。キトサンはリサイクル材料として更なる付加価値を見出すことができ、またデキストラン硫酸は入手しやすい負電荷を有する半合成高分子の一つであり、本研究の遂行に適した組み合わせである。超薄膜を積層する基板として、ナノグラムレベルの積層量が水晶の振動数変化を測定することにより検出できる9-MHzの水晶発振子(QCM)を用いた。薄膜形成に及ぼす高分子濃度、吸着時間、吸着温度、ならびに添加塩の影響について検討した。得られた薄膜の反射赤外吸収スペクトルを測定し、積層高分子の有無ならびに異種高分子鎖間に働く相互作用について評価した。原子間力顕微鏡により薄膜表面の凹凸を観察し、さらにチップで薄膜を削除することで実際の膜厚を求めた。QCM測定により見積もった膜厚と比較するとともに、薄膜の密度を導いた。これらの手法により調製した薄膜をキャラクタリゼーションした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Takeshi Serizawa: "Alternating Bioactivity of Polymeric Layer-by-Layer Assemblies : Antiversus Pro-Coagulation of Human Blood"Biomacromolecules. 3. 724-731 (2002)
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[Publications] Takeshi Serizawa: "Enzymatic Hydrolysis of a Layer-by-Layer Assembly Prepared from Chitosan and Dextran Sulfate"Macromolecules. 35. 8656-8658 (2002)
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[Publications] Takeshi Serizawa: "Time-Controlled Desorption of Ultrathin Polymer Films Triggered by Enzymatic Degradation"Angew.Chem.. (印刷中). (2003)