2014 Fiscal Year Annual Research Report
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14F04344
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
相田 卓三 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00167769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KOTAGIRI Venkata 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 水素結合 / 超分子 / 高分子 / 有機半導体 |
Outline of Annual Research Achievements |
汎用的超分子連鎖重合法の開発を目指し、水素結合性π共役モノマーの開発を行った。モノマー分子のデザインはπ共役分子の種類を中心に、水素結合性官能基の種類や数、ならびに側鎖内における位置などを最適化した。また同時に超分子重合の条件として、温度・溶媒組成・添加物効果など、あらゆる条件の検討を行った。その結果、25 °C、メチルシクロヘキサン・クロロホルム混合溶媒に少量のアルコールを添加した条件下において、トリフェニルアミン、ペリレンビスイミド、ならびにポルフィリンを用いた誘導体が、超分子連鎖重合の可能性を示すことを見出した。具体的には、ポリマーの成長末端からのみ超分子重合が進行していくのを、動的光散乱法ならびに円二色性分光法により確認した。連鎖重合はポリマーの成長反応だけでなく、開始反応も制御できて初めて実現できたといえる。現在はこれらのモノマーのための開始剤の開発に注力している。アミド基の水素結合性ドナーまたはアクセプターの一方を潰すことで開始剤として働くと推測している。また同時に、これらの分子を基板に固定化し、基板表面からの超分子重合の可能性を調べている。すでに側鎖の末端にチオール基を導入した分子が金基板表面にπ共役面が平行になるように配置されることを確認している。上記の開発したモノマーを加える事で、モノマーが金表面に固定化された分子を開始剤として超分子重合を開始し、基板に対し垂直配向することを期待している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りすでに複数のπ共役系分子を用いて超分子重合の制御に成功している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り超分子重合用の候補化合物を増やす。これまでの経験上、π共役系分子の種類の選択も重要であるが、同時に側鎖の分子デザインもコアの種類に応じて調整する必要があることが分かっている。現時点ではレパートリーが少ないということもあり、ある程度手探りですすめ、その後合理的に予測できるように理論を確立する。また、うまく超分子重合ができる化合物に関しては電極表面への固定化ならびに超分子重合を調べていく。
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