2015 Fiscal Year Annual Research Report
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14F04344
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
相田 卓三 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00167769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KOTAGIRI VENKATA 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 水素結合 / 超分子 / 高分子 / 有機半導体 |
Outline of Annual Research Achievements |
汎用的超分子連鎖重合法開発に向け、今年度も研究を続けてきた。昨年度に開発したトリフェニルアミン、ペリレンビスイミド、ならびにポルフィリン誘導体に加えて、さらにより大きな共役コアであるヘキサフェニルベンゼン誘導体においても開発した戦略が有効であることを確認した。さらに論文にまとめるため、条件の最適化を繰り返しそれぞれの再現性を確認し、現在論文を投稿し返事を待っている状況にある。またこの論文作業と並行し、開発した分子を基板に固定化し、金電極表面からの超分子重合の可能性を検討した。当初うまく行かなかったが、これは蒸着した金の表面が分子レベルでは無視できないほど平滑でないことが原因であることが示唆された(30 nm前後のラフネス)。そのため、平滑な金電極表面を出す方法を開発したところ、超分子ポリマーがしっかりと接着することが確認された。現在は超分子ポリマーが期待通り電極表面に垂直に生えていること、また電極表面から重合が起こっていることを確認すべく実験を行っている。とりわけ、QCM測定による重量変化を重要な測定と位置づけている。またGI-SAXS法による配向の確認、偏光IR測定などを行っている。 上記の研究に加え、実験過程で幾つかのモノマーが加熱すると超分子ポリマーが形成されるという現象を見出した。従来、超分子ポリマーは加熱すると脱重合するため、完全に逆の傾向である。この興味深い現象も現在調査はじめ、すでにいくつかの要因を突き止めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りすでに複数のπ共役系分子を用いて超分子重合の制御に成功し、現在論文を投稿している。また当初の予定以外にも興味深い事実を発見している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り汎用的超分子重合の開発に成功した。そのため、現在はさらなる発展系として、金電極表面からの超分子グラフト重合実現にむけ研究を行っている。電極表面から生えた超分子ポリマーの解析はこれまで行ってきた溶液中に分散した超分子ポリマーに関する研究とは要求される測定方法が大きく異る。GI-SAXS, ATR-IR, 反射スペクトル測定、QCM測定など、どの測定が一番適しているかを質的・量的に判断し実験系を立ち上げる必要がある。必要に応じて共同研究を展開し、測定に関して支援をしてもらえるような環境を整えるのも重要であると考えている。現在NIMSの研究者に対しコンタクトを取り共同研究に関していろいろな可能性を探っている。また、少し先になるが電極間を橋渡すように超分子ポリマーを繋げることで、最終的にはFETなどの応用に展開することを目指す。
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