2014 Fiscal Year Annual Research Report
無触媒窒化物系ナノワイヤの有機金属化合物気相成長と太陽光発電素子応用
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14F04366
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
天野 浩 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60202694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BAE Si-Young 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | InGaN / ナノワイヤ / 太陽電池 |
Outline of Annual Research Achievements |
InGaNのバンドギャップは0.6~3.4 eVと太陽光ほぼ全域をカバーすることから, 理論上多接合系太陽電池に最適の半導体材料である。その実現には高In組成から低In組成まで組成の異なる高い量子効率のpn接合を複数積層する必要がある。当研究室では、In組成が0.13までのInGaNダブルへテロまたは量子井戸pn接合により、内部量子効率90%以上を達成している。しかし、In組成が0.17を超えると内部量子効率は急激に低下し、高効率太陽電池は実現されていない。理由は、従来の平面型デバイス構造では高In組成InGaNと下地GaNとの格子不整合により貫通転位が発生、非輻射再結合準位が増大し、励起キャリアの収率が著しく低下するためである。格子不整合起因結晶欠陥の発生を抑制する方法として、直径数十ナノメートル、高さ1ミクロン以上のナノワイヤアレイ構造が期待されている。ナノワイヤ構造ではヘテロ接合面積がきわめて小さいため応力が少なく、結晶欠陥の発生を抑制することが可能である。また、ナノワイヤ密度とアスペクト比を制御することにより、光取り込み効率を制御可能であり、高アスペクト構造では90%以上と高い光取り込み効率が試算されている。従って1sunで変換効率50%、集光型で60%を超える多接合型高効率太陽電池の実現が期待される。 研究分担者のBae Si-Young氏は、博士後期課程時代ナノワイヤLEDを試作するなど、ナノワイヤの結晶成長及びデバイスプロセスに関する豊富な経験を有している。本研究ではその経験を生かし、コアシェル型高In組成InGaN太陽電池を試作し、従来の平面構造に対するナノワイヤ構造の太陽電池の優位性を確認することを目的とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現有のナノインプリント装置を用いSi基板上またはアモルファスのSiNを形成した基板上にナノサイズパターニングを施し、パルス供給法によりGaNナノワイヤの成長を行った。 その結晶品質を名大内VBLのSTEM装置を用いて評価したところ、貫通転位や積層欠陥がないことを確認した。従って計画通り順調に進展している コアシェル型InGaNヘテロ構造を作製を行った。太陽電池における内部量子効率の推定はこれから実施予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
Si基板上およびアモルファス基板上に太陽電池構造を作製し、その発光特性及び太陽電池特性を評価する。発光特性評価は現有の時間分解PL、励起強度可変PL、温度変化PL測定装置を用いて行う。またその構造評価はナノテクプラットフォームのTEMを用いて行う。更に、個々のナノワイヤの発光特性は、Bae氏の学生時代のスーパーバイザーであるGwangju Institute of Science and TechnologyのLee教授の有する極微細CL評価装置を用いてナノワイヤ内個々の結晶面の発光特性の比較を行う。
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Research Products
(4 results)