2014 Fiscal Year Annual Research Report
亜鉛欠乏土壌におけるイネの生育を向上させる候補遺伝子の特定
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14F04732
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Research Institution | Japan International Research Center for Agricultural Sciences |
Principal Investigator |
WISSUWA Matthias 独立行政法人国際農林水産業研究センター, 生産環境・畜産領域, 主任研究員 (90442722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NANDA Amrit 独立行政法人国際農林水産業研究センター, 生産環境・畜産領域, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 土壌の亜鉛欠乏 / 候補遺伝子同定 / 分子マーカーの開発 / 感受性イネ系統 / ゲノム / 遺伝子発現データ / マイクロアレーデータ / レトロトランスポゾンTos17 |
Outline of Annual Research Achievements |
イネはアジア地域において主食ともなる重要な作物である.ほかの作物と同様に,その生育には様々な元素が必要となるが,その一つが亜鉛である.土壌の亜鉛欠乏は世界の広い範囲で認められ,低収量,極端な場合には植物体の枯死を引き起こす。このフェローシップ期間中における目標は,亜鉛欠乏土壌における耐性を付与するイネの候補遺伝子を同定し,増収と施肥量の節約につなげることである。さらに亜鉛欠乏耐性を向上するために行うイネ品種のマーカー利用育種に供試するよりよい,詳細な分子マーカーの開発につながる。また,これらの遺伝子の機能解析により,亜鉛欠乏耐性の根底にある分子メカニズムの解明にも寄与できると考えられる。 プロジェクト開始の2014年度は、様々な亜鉛欠乏耐性や感受性イネ系統を集め、ゲノムDNAや遺伝子発現データと亜鉛欠乏条件における根の発育データを蓄積した。 亜鉛欠乏条件下でマイクロアレーデータを解析し、亜鉛欠乏耐性に関与する候補遺伝子を同定した。候補遺伝子にレトロトランスポゾンTos17の挿入されているイネ系統変異体を、(研究開発法人)農業生物資源研究所から入手し、遺伝子型を調査したのち、現在種子増殖中である。 実験室レベルで亜鉛欠乏条件下での亜鉛欠乏耐性系統と亜鉛欠乏感受性系統の根の発育調査を行った。フィリピンIRRI(国際稲研究所)を訪問し亜鉛欠乏圃場で圃場実験を行った。また、IRRIの共同研究者と今後の研究に関して協議した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
亜鉛欠乏耐性に関わる候補遺伝子の選抜と、遺伝子のクローニング、組換え体系統作製のためのベクター調整などを掲げていた。現在は、亜鉛欠乏耐性に関わる候補遺伝子の選抜に、マイクロアレーのデータを解析し、候補遺伝子を絞り込んで知る。また、組換え体系統作製による候補遺伝子の評価ではなく、Tos17挿入変異体による形質評価から候補遺伝子の絞り込みを行っている。亜鉛欠乏耐性に関する形質評価方法も、実験室レベルで確立しつつある状況で、亜鉛欠乏耐性に関与する候補遺伝子の選抜とスクリーニングはおおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝子組換え系統イネの形質転換と調製,候補遺伝子の発現およびそれらの候補遺伝子とレポーター系統の解析を行う。亜鉛欠乏耐性に関わる候補遺伝子の選抜は、Tos17挿入変異体の種を増殖し、亜鉛欠乏条件下での根の伸長を調査することにより、亜鉛欠乏耐性との関係を明らかにする。 亜鉛欠乏耐性に関与する興味深い候補遺伝子に関しては、遺伝子のクローニングを行い、過剰発現させた組換え体系統を作製し、亜鉛欠乏に対する影響を調査する。亜鉛欠乏条件時に、根の初期発生や発達にどのように影響するか明らかにするため、顕微鏡による観察と遺伝子発現解析の実験を行う。
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Research Products
(1 results)