2015 Fiscal Year Annual Research Report
亜鉛欠乏土壌におけるイネの生育を向上させる候補遺伝子の特定
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14F04732
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Research Institution | Japan International Research Center for Agricultural Sciences |
Principal Investigator |
Wissuwa Matthias 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 生産環境・畜産領域, 主任研究員 (90442722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NANDA AMRIT 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 生産環境・畜産領域, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 亜鉛欠乏 / 耐性メカニズム / 候補遺伝 / レトロトランスポゾンTos17 / イネ系統変異体 |
Outline of Annual Research Achievements |
亜鉛欠乏への耐性が異なる数種類の遺伝子型を利用し、イネにおける冠根の発達に亜鉛欠乏がおよぼす影響について解析し、それぞれの耐性メカニズムの特定を行っている。 2015年度は、グロスチャンバーおよび温室において幾つかの実験を行った。亜鉛欠乏への耐性が異なる幾つかの遺伝子型が亜鉛欠乏下で栽培されたイネの冠根の発達に影響を及ぼす耐性のメカニズムについて詳細な解析を行なった。・候補遺伝子にレトロトランスポゾンTos17の挿入されているイネ系統変異体の亜鉛欠乏に対する耐性についての評価を行なった。・日本晴(にっぽんばれ)の亜鉛欠乏耐性に対する評価を行なった。 ・亜鉛欠乏に対する耐性の異なる遺伝子型のイネにおけるリン欠乏および塩ストレス耐性についての評価を行なった。・植物ホルモンのオーキシンが亜鉛欠乏下において冠根の発達調整に関与する分子メカニズムの仮説に基づき、さらなるデータの補充および亜鉛欠乏耐性に関与するシグナル伝達経路を発見するため、RNAライブラリープレパレーション調整およびRNAシーケンス解析を依頼した。亜鉛欠乏処理後、幾つかの耐性および不耐性の遺伝子型のイネの冠根から、RNAの配列データを得た。 耐性および不耐性の遺伝子型のイネにおける冠根の発達および亜鉛の再転流を、亜鉛欠乏下で解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
亜鉛欠乏への耐性が異なる幾つかの遺伝子型が亜鉛欠乏下で栽培されたイネの冠根の発達に影響を及ぼす耐性のメカニズムについて詳細な解析を行なった。 亜鉛欠乏耐性に関与するシグナル伝達経路を発見するため、RNAライブラリープレパレーション調整およびRNAシーケンス解析を行なった。RNAシーケンス解析により耐性および不耐性の遺伝子型のイネの冠根から、RNAの配列データを得た。
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Strategy for Future Research Activity |
亜鉛欠乏下で、幾つかの耐性および不耐性の遺伝子型のイネにおいて、植物ホルモンであるオーキシンを時間経過とともに測定する予定である。また、耐性・不耐性の2つの遺伝子型間の相関を解析するため、同じ組織の亜鉛濃度も測定する予定である。 RNAの配列データを処理し、耐性および不耐性の遺伝子型間の遺伝子発現プロファイルを作成する予定である。
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Research Products
(2 results)