2014 Fiscal Year Annual Research Report
ICF(国際生活機能分類)を用いた高齢者虐待定義の再構築及び生活援助モデル開発
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14J02017
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
任 貞美 同志社大学, 社会学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 高齢者虐待の定義 / 高齢者虐待防止法 / 高齢者虐待研究 / 統合的文献レビュー |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者虐待の定義に関する課題やその背景要因を分析するために,国内の文献14件について統合的文献レビューを行った.その結果,虐待定義の課題として【虐待認識の個人差を減らすためのコンセンサス】【高齢者虐待防止法の虐待定義では対応できない虐待的行為に関する検討】【虐待予防の観点から不適切なケアの概念導入】【虐待定義の本質に関する検討】【日本独自の虐待定義と分類に関する検討】【セルフネグレクトに関する検討】【被虐待者と加害者の範囲に関する検討】の7つのカテゴリーにまとめられた.一方,背景要因として【研究方法の難しさ】【虐待定義の範囲を取り巻くジレンマと困難】【研究の方向性の問題】【虐待という用語が含む否定的なイメージの問題】【制度・システム上の問題】【調査対象の限定性の問題】の6つのカテゴリーにまとめられた. 上記の結果から,①高齢者虐待の実態を正確に反映できる用語・定義の確立,②一義的に虐待の概念を示す既存の研究から脱却し,虐待の本質を説明できる理論に基づいた定義の検討,③虐待の概念を明確にし,実態に即した虐待の定義を提示するため,当事者としての高齢者と介護者の認識を反映した実証的研究の必要性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に計画通り進行した。この研究成果をもとに論文を作成、投稿した。
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Strategy for Future Research Activity |
抽出した虐待定義の課題をもとに、量的調査を実施し、実証することを計画している。
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Research Products
(1 results)