2014 Fiscal Year Annual Research Report
発達性ディスレクシアにおける読みスキル習得メカニズムの解明と認知機能訓練の開発
Project/Area Number |
14J02921
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮崎 茜 北海道大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
|
Keywords | 読みスキル / 作業記憶 / 事象関連電位 |
Outline of Annual Research Achievements |
読みスキルの習得メカニズムに寄与する作業記憶は「記銘」、「保持」、「想起」の3つの処理過程に分けられる。基礎的な知見を得るために、事象関連電位および神経同期を指標に用いて、作業記憶処理への (1) 保持負荷の影響 (2) 注意資源配分の影響を検討した。 (1) 負荷の低い条件よりも負荷の高い条件の保持区間で、アルファ帯域やガンマ帯域の神経同期は増大した。神経同期は保持処理への負荷を反映する指標であることが示唆された。また、作業記憶障害の示唆される気分障害患者では、健常者に比べてアルファ帯域の神経同期が低下し、保持区間における情報処理の障害が示唆された。(2) 注意資源配分を要する課題では、標準課題に比べて、想起区間の事象関連電位の振幅は低下した。想起処理における作業記憶の更新への注意資源配分の影響が示唆された。 以上の結果より、保持負荷および注意資源配分は処理の効率性に影響を与え、スキル習得メカニズムに関連する要因と考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
読みスキルに寄与する認知・知覚機能の指標について、課題遂行時の事象関連電位の成分および神経同期の周波数帯域を探索した。また、発達性ディスレクシアよりも障害の程度が重篤な統合失調症および気分障害の患者における情報処理について検討を進めた。
|
Strategy for Future Research Activity |
作業記憶の処理過程における低次知覚機能の関連性や処理の抑制(促進)要因を検討する。
|
Research Products
(3 results)