2014 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄異形成症候群患者由来iPS細胞の樹立および病態解析・治療法の探索
Project/Area Number |
14J02993
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
本田 晃 東京大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 疾患由来iPS細胞 / 骨髄異形成症候群 / SF3B1変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、ダイレクトシークエンス法を用いて当院における骨髄異形成症候群(MDS)の症例の中で、MDSに特徴的な遺伝子異常(TET2, EZH2, ASXL1, CBL, DNMT3A, IDH1, IDH2, KRAS, SF3B1, U2AF35, SRSF2, RUNX1)を有する症例の検索を行った。変異を認めた症例については、AutoMACSを用いて患者検体(末梢血・骨髄液)よりCD34陽性細胞を分離し、サイトカイン(SCF, FLT3, IL-3, IL-6, TPO)を含む血球刺激培地にて数日間の前培養の後、エピゾーマルベクターを用いてリプログラミング因子(OCT3/4, L-MYC, SOX2, KLF4, LIN28, shP53)の導入を行った。計27症例の患者検体を用いてiPS細胞の樹立を試みたが、多くは正常クローン由来のiPS細胞であり、MDSの腫瘍クローンからの樹立効率は正常クローンよりも低いことが想定された。また染色体異常、遺伝子異常を有するiPS細胞を得ることができた場合にも、樹立とその後の培養に伴う付加的な染色体異常を認めた症例もあり、これらはその後の病態解析には適さないと考えられた。 これまでにiPS細胞樹立を試みたものの中で病態解析に適するiPS細胞としては、SF3B1の変異を有するMDS由来のiPS細胞(SF3B1-iPS)の樹立に成功した。SF3B1-iPSについては、iPS細胞培養における形態の評価、表面マーカーによる幹細胞性の確認を行った。また三胚葉へ分化可能であることを確認するために、免疫不全マウスを用いた奇形腫形成を試みている。今回樹立に成功したSF3B1-iPSはMDSの病態解析に有用なツールになると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始時の1年目の研究目標はほぼ達成されており、また一部2年目の研究目標にも着手できていることから、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
1)iPS細胞による骨髄異形成症候群(MDS)の病態再現 樹立したMDS由来の疾患iPS細胞をiPS-Sac法にて血球に分化誘導し、セルソーターを用いてCD34+43+の造血前駆細胞を回収しこれらの細胞の機能を評価する。 iPS細胞から分化誘導した血球においても、MDSに特徴的である血球のアポトーシス亢進、異形成などもとの疾患の病態再現が可能であるか評価する。
2)オミクス解析 1)での病態の再現が可能であった場合、得られる造血前駆細胞を用いてエピゲノム解析、トランスクリプトーム解析などのオミクス解析を行う。
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Research Products
(1 results)