2014 Fiscal Year Annual Research Report
バリ島を目指す日本人女性のライフスタイル移民-生活実態とコミュニティへの影響-
Project/Area Number |
14J03033
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
NI NENGAHSUARTINI 東北大学, 文学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | ライフスタイル移民 / インドネシア・バリ島 / バリ島観光 / 日本人女性 / 生活実態 |
Outline of Annual Research Achievements |
グローバル化にともなう移民の多様化のなかで、個人のオルタナティブな生き方として自分のの憧れのライフスタイルを求めるためのライフスタイル移民について研究を行うことにあたり、バリ島における日本人女性のライフスタイル移民に注目した。それに際して、このライフスタイル移民形成を牽引したものの一つとされる、ツーリズムと移住先の生活実態に焦点をあてて、調査を行った。具体的には、①日本におけるバリ島観光案内などの活字メディアの収集と言説分析、②バリ島に移住する日本人女性の生活実態の調査、③移住先の在留資格と移民制度、の3点を行った。 ①については、バリ観光案内の活字メディアや日本人のバリ暮らしによるエッセイを収集できたことで、ライフスタイル移民を研究するために有益なものである、より詳細にバリにおけるに日本人女性のライフスタイル移民の出現を分析することが可能になる。 ②バリ島の観光中心地に住んでいる日本人女性を対象に聴き取り調査を行ったことで、バリに移住する日本人女性は起業家精神を持ち、日本人が営業している様々なビジネスは現地の観光進展や雇用機会の拡大だけではなく、現地で暮らしている日本人の情報交換や社交場でもあることが明らかになった。これらの成果の一部を横浜で開かれた国際学会で報告した。学会で議論やネットワーク形成ができたことは今後の研究を進める上で大変貴重なものである。 ③については、インドネシアでは、移民制度に関する資料が充分に整備されていないため在留資格や移民制度について関係者に聴き取り調査を行い、情報を収集できた。この調査によって、長期滞在を可能にする移民制度について分析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①聴き取り調査に関して、インフォーマントは聴き取り調査に協力的である。具体的には、彼女たちは追加調査や新たなインフォーマントの紹介にもたいへん協力的である。それは信頼関係を築けたからである。また、調査対象者はほとんど観光業に就業しているから、バリ島へのフィールドワークは、観光客が盛んな時期を避けるからである。 ②世界社会学会議や日本社会学会などの学会に参加したから同じ研究関心を持っている研究者と議論したり、ネットワーク形成や情報交換できたりして、知識を得て、研究する刺激になったからである。
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Strategy for Future Research Activity |
①より多角的日本人ライフスタイル移民の分析を行う。そのために、これまで築いたネットワークをもとに、リゾート地域ではなく、外国人が通常住んでいない地域に赴き、聴き取り調査を行う。加えて、日本人とかかわる現地の方にも聴き取り調査を行う。 ②これまでの考査で蓄積されたデータや資料を再検討し、ライフスタイル移民と移住先の生活実態についてジェンダーの観点から分析を行うことで、女性におけるライフスタイル移民の多様化を明らかにすることができる。 ③は②を学会で発表して、そこでの議論を土台として研究論文を執筆・投稿する。 ④バリ島に移住する日本人女性のライフスタイル移民のモノグラフを作成する。
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