2015 Fiscal Year Annual Research Report
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14J03668
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
沖坂 祥平 東北大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 有限モデル理論 / 一般量化詞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は有限構造のクラスKのモデル論的な性質が対応する一般量化詞を加えた論理の表現力にどの程度影響を与えるかについて研究を行った。先行結果として任意の有限構造のクラスKに対して,同等の表現力を持つ単調なクラスLが存在することが知られている. これはクラスの単調性は論理の表現力には何も影響を与えないことを意味する.ここでクラスLが単調であるとは,Lに属する構造Aにおける関係記号の解釈を部分集合として含むように関係記号を解釈し,Aと共通の領域を持つ構造BもLに含まれることを意味する.これを受けて今回部分構造に関して閉じているクラスKに対応する一般量化詞を加えた論理は等号のみを含む言語において一階述語論理と表現力は変わらないことを示した.系としてそのようなクラスは「~を満たす要素は…個存在する」というような数え上げ量化詞を表現できないことも分かった. また,本年度後半では東北大学の彭偉光氏,李文娟氏,田中一之教授と共にGame treeに関する共同研究を行った.本研究は2007年にLiu- Tanakaによって示され,2012年にSuzuki-Nakamuraによって一般化されたuniform binary tree におけるeigen-distributionはE^1-distribution と同値であるという主張をbalanced multi-branching tree に拡張したものである.また,アルゴリズムを深さ優先探索に制限した場合,各distributionに対し必要なコストを最も低くする最適なアルゴリズムとしてdirectionalなものが取れることを示した.現段階では考えるアルゴリズムとして深さ優先探索を仮定しているのでその仮定を外しても同様の結果が成り立つのかどうか研究を継続する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度はクラスの持つ性質から対応する論理の定義可能性に関する性質を導く結果が得られたが,主張としては比較的弱い形であり,現在示せている結果をさらに精密化,発展させる必要がある.
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに示せている結果をさらに発展させるために、議論の内容をより詳しく観察する.また既存の手法では限界があるように思えるので新たな手法を探索,開発を目指す.
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Research Products
(5 results)